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私の宝物

 子どもたちがいない家の中はがらんとしてしまい、私と妻の二人では部屋を持て余すような状況になっています。いつか子どもたちがいなくなったらここよりも広い子ども部屋に移ってがつんとJAZZ三昧だな、と思っていましたが、結局そのままこの部屋でJAZZのレコードやCDを聴いています。子ども部屋はあらかた片付けられてはいますが、いつ帰省してもいいように、と妻がある程度の状態を保ったままにしています。私も別に慌てるものでもないのと、移動させるのが面倒でもあり、この部屋でいつまでも時間を過ごしています。

 高校から大学に上がって、半年先には見向きもされなくなるミュージックに飽きてしまい、アメリカの古い映画音楽やコーラスグループの音楽を聴くようになりました。次から次に聴いていくうちに、そのいくつもがスタンダードナンバーとしてJAZZ演奏されていることを知り、そこからJAZZにのめり込みました。「日下、変わった音楽聴いているな」と友人や下宿仲間に言われたこともあります。確かに私の周りではJAZZを聴く者など誰もいませんでした。

 大学を卒業して、自分で給料を稼ぐようになると自由になる小遣い銭も増えたので、休日は旭川、札幌、時には東京に出てJAZZのCDやレコードを買いました。それは今でも続いていて、私の宝物はどんどん増え続け一向に片付きません(妻にとってはガラクタのようですが)。お金がなくなると、土曜日23時からNHK-FMで放送されるJAZZ番組(長寿番組で現在も2時間の放送枠で聴くことができます)をチェックして、気に入った曲やアーティストをメモ帳に書き留め、次回購入のヒントにしたりしていました(現在もしています)。

 週末自宅に帰ると、思い入れのある一枚一枚に囲まれる部屋で、自分で作った真空管アンプに灯を入れ、ターンテーブルにお気に入りのレコードを載せています。その時間が私にとって至福の時となります。ライナーノーツに目を通し、読みかけの本を開き、居眠りを・・・それもまた至福の時です。

 秋は深まりましたが、まだまだ芸術の秋です。素敵なお時間をお過ごしください。