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可愛らしい空間

 昨日に続き、展示の話になりますが、この写真はいかがでしょうか。

 浴衣、ワンピース、エコバッグ、ポーチ、ペンケース、ポケットティッシュケースなど、布細工が所狭しと展示されています。

 デザイン系列で学ぶ生徒の作品が展示された可愛らしい空間(廊下)です。生徒玄関と職員玄関から少し離れた位置にあるので、来校する全ての方の目に留まらないのが残念です。この場所はこの場所として、何とかしてもうひとつ展示場所を動線の多いところにしたい、と考えています。

 ここは、4月に着任して校舎の全てを見て回り、いいなと思った場所のひとつです。これは特色のひとつになる、と思いました。パーっ、と明るく広がりを見せる可愛らしい空間 - 素敵だな、と。勤務してきた学校、出張等で訪問した学校など数々ある中で、このスタイルは見たことがありません。自慢できる場所のひとつです。

 自分で作ったものを多くの人に見てもらえる機会は、そう多くあるものではありません。生徒にとって素晴らしい経験になりますし、こうした展示を積極的に行ってくれる教職員にも私は感謝します。今年度、北海道教育委員会は『生徒を主語にした教育活動』を掲げています。私はこうした取組が実践のそのひとつであると考えます。

 この先の人生、忙しさの中で多くのことを犠牲にしたり後回しにしてしまったり、いつの間にか忘れてしまっていたり・・・慌ただしさの中で見失うものの多さに気付くときがきます。何かの拍子に、?となり、自分に向き合うときが必ず訪れます。

 自分に何ができるだろうか、自分は何かに挑戦できるだろうか、自分が一番やりたいことは何なのだろうか・・・そのときに自分の手でひとつのものを作った経験が生かされるときが来るかもしれない。どこでどうなるかなんて誰にもわからないわけです。

 もう一度、高校のときに作ったバックを作ってみようかなぁ - このことがきっかけになり、作品をインターネット上に紹介し、誰かが興味を示し購入してくれるかもしれない。趣味からやがて起業につながるという展開だってあるかもしれません。

 レールに乗るしかなかった生き方が、今は自分でレールを敷いて生きていく時代に様変わりしています。『探究的な学び』、『体験的な学び』を大切にしている意味は多々ありますが、そのひとつに、「たったひとつの経験が自らのレールを敷き、生きていくことにつながっていくんだ」ということを生徒には知っていてもらいたいです。

 高校時代に素晴らしい経験ができている自分を誇りに思ってください。