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人手不足がもたらすもの

 9月19日(金) 国土交通省北海道開発局様、一般社団法人空知建設業協会様が主催する「学校キャラバン」が開催されました。高校生に向けて建設業の魅力を発信することを目的に、地元建設企業の若手職員による仕事紹介や作業体験が行われました。お忙しい中、本校生徒の教育活動に御尽力を賜り感謝申し上げます。

 日本の総人口が減少するなかで、65歳以上人口が増加することにより高齢化率は上昇を続け、2040年には約35%、2050年には37%、2070年には39%に達すると推計されています。建設業のみならず産業の担い手の確保が急務になっています。建設業の労働力が不足すると、受注できても着工ができない、インフラの維持が困難になるなど社会的な影響が懸念されます。

 例えば、一軒の家を建てるとき、基礎工事(根切り・地業・防湿シート張り・捨てコンクリート・配筋工事・コンクリート打設)、配管工事、足場工事、建方工事、屋根工事、サッシ・ベランダ工事、電気工事、断熱工事、クロス貼り工事、外壁工事、外構工事など数多くの工事があり、それぞれの技術に特化した多くの職人さんが携わります。建設業界の人手が不足すると工事が遅れ、半年で引き渡されていた新築住宅が、1年も2年も待たされてしまい、さらに経費も嵩むという事態が発生します。

 電力会社に就職した次男が先月言っていたことです。「電気の技術屋さんが足りないから、受注はあっても工事ができないんだよ。何ヶ月も先延ばしになっていたり、仕方なく断っているケースもあるんだよな。オレ、高校選ぶとき工業高校への進学なんて一切考えもしなかったけれど、お父さんが教えてきた生徒は貴重なんだな、と思ったわ。工業高校の生徒や専門的なこと学ぶ生徒をしっかり育てて、社会がそういう生徒を大切にしていかなければ、この先困ったことがたくさん出てくると思うわ」

 今回の「学校キャラバン」により、生徒は本校で学ぶことが社会でどのように生かされていくのか、建設業の具体的な話から自らの果たす役割とは何なのか、ということを理解することができたのではないかと思います。