北海道美唄尚栄高等学校 全日制 総合学科
北海道美唄尚栄高等学校 全日制 総合学科
3月1日の卒業式が終わって、午後の1時過ぎ。とん、とん、と校長室の扉がノックされました。
「バレンタインデーの日に何も渡せなかったので、校長先生に今日渡そうと思って昨日作りました」そう言うと紙袋の中に手を入れラッピングされたクッキーが私の前に。「もうこれで高校生活が全部終わりました。最後になりました」少しだけ寂しそうな表情に目元はうるんでいました。「何かあったらまたいらっしゃい。いつでも来ていいのだから」私がそう言うと「わかりました。ありがとうございました」と頭を下げ彼は校長室をあとにしました。気持ちが優しくおっとりしていて、笑顔の可愛らしい礼儀正しい生徒でした。
私は教育に関してはウェルカムのスタンスですから、32年間来る者拒まずで生徒と接することを信条としてきました。教師と生徒と言えども人と人ですから、すべての生徒が私に懐き近寄ってくるということはありません。一定の距離を保ちたい、本当は行きたい、一人では近寄れない、もう少し信頼できる人か見極めてから・・・生徒それぞれに事情はあります。そうした生徒は長年の経験と勘でわかります。ここぞと思うときに私からこっそり寄っていって声をかけてあげるなど、工夫を凝らしながら接するよう心掛けてきました。無視はしない、無理はしない、無駄にしない。ただ、気にかけてあげる。ただ、見てあげる。ずっとそうしてきました。
管理職になると生徒と遠くなってしまう・・・多くの校長先生にお声掛けいただいたとき真っ先に思ったことはそれでした。60歳で退職するとき自らの教職の締めくくりを卒業生の担任として終えたい - 教師になった最初の日に決意した自分への裏切り。このことが私の決断をいつまでも遅らせた最大の理由でもありました。
紆余曲折の末に管理職に転向したとき、立場は変わるけれど自らの信条を崩す必要はないんだ、と心に決めました。それが正しいことなのかどうかはわかりませんが、一人の教師として信条を捨て去る必要はない、そう思ったのです。ただ、担任や教師を超えないように一步も二歩も下がって控えめに控えめに。
卒業生の担任として、という私の中での決め事は残る5年の教職人生で叶えることはできなくなりましたが、管理職としての生徒との関わり方については、現在もそうですが7年間ずっと思いを巡らせています。それは私にとってとても楽しい時間でもあります。生徒から学ばせてもらうこと教えてもらうことがたくさんあり、いつも私の経験値を上げてくれます。大変ありがたいことです。立場が違っても関わり様は多岐にわたっている、これが私の経験から言えることです。
躓いたとき、話を聞いて欲しいとき、ふと本校の先生方の顔が浮かんできた・・・そうしたら思い切って学校に足を運んでください。美唄尚栄高校が自分の立ち位置を確認したり見直したりできる場所であっていい。私はそう思います。
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