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心だけはやさしくあたたかに

 3年次生の選択科目「生活に生きる書」を受講している生徒が書いた作品が、校内のあちらこちらに掲示されています。教室ではなく、廊下というのがいいのです。教室だとそこを利用する生徒の目にしか留まりません。だから、人が頻繁に通る廊下や階段の壁というのがいい。

(写真を一部加工しています)

 私は着任後、先生方に生徒の作品をどんどん掲示したり飾ったりしてください、と話をしています。作品の善し悪しはどうでもいいわけです。本人がそれで善し、と思えばそれに勝るものはないのですから。

 生徒一人ひとりが、見てくれる人のことを考えたり、作品づくりをした人のことを思ったり・・・そうした心を持って学校生活を過ごし、卒業させたいと思っています。このことは私が教員になったいくつかの理由のひとつでもありますし、担任として出会った生徒たちを教育する上での信念でもありました。

 学習の成果を残すことはもちろんのことです。ただ、それ以上に、心の空間を広げていく生き方をしていって欲しい、と考えています。生涯をとおして自分のことを思う、誰かのこと(親、祖父母、恋人、兄弟、友達・・・)を思う、そうしたやさしくあたたかな心と時間を持ち、魅力ある人間になって欲しい。

 社会や環境がどんどん変化していく混沌とした時代に生きていると、自分のことだけで精一杯になり周囲のことに気持ちが行き届かなくなります。世の中の流れにどことなく我が身も流されていくかのような状況下にありますが、心まで流されていけません。

 心だけはやさしくあたたかに。