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校長の小部屋

デジタル化

 今年度、PTA総会に係る配付資料を紙媒体からデジタル化しました。保護者等の皆様には御不便をおかけしたかもしれませんが、教職員の働き方改革の推進と経費削減に向けた本校の取組のひとつとして御理解ください。

 議案書につきましては、電子データ(PDF)として事前に配信させていただき、御家庭において端末で確認していただくようにしました。また、当日の総会におきましては、QRコードの読み込みによって議案書のダウンロード並びにスクリーン投影により見ていただくスタイルをとらせていただきました。

(写真をモザイク風に加工しています)

 デジタル化によって全ての業務が効率化されていくとは考えてはいませんが、今回の総会資料に限って見ていくと、印刷する時間、綴じ込む時間、仕分けする時間、配布する時間、インク代、紙代、ホチキス針代・・・細かく分析していくと、そこにかかる労力と経費はかなりのものになります。楽をしようというのではなく、その労力と経費を生徒のために還元していくと捉えてください。

 時代は急速に変化しています。私が子供だった頃、大学時代、四十代前半までは、緩やかな坂道を上るくらいの変化だったものが、ここ数年は二次関数的な変化になっています。あんなことができればいいのにと思っていたことが、2年先ではなく3ヶ月、1ヶ月先には出来上がっているというような状況になっています。藤子不二雄さんのマンガの世界がまさに実現されてしまっています。

 ゆっくり、のんびりだった頃の方が良かったな、と懐かしむのは私だけではないと思いますが、変化は私たちの思いを待ってはくれません。先に先にとどまることなく進行していきます。そこに生きる私たちが変化に対応していかなければ、取り残されてしまう時代です。また、生徒たちはその変化の真っ只中で生きており、私たちが懐かしむ過去を知らないわけですから、社会の変化に応じた教育が求められるのは必然であるわけです。

 昔ながらの良さを継承しつつ、時代に即した教職員の働き方、効率的な業務で生徒との関わりの時間を確保するため、小さなことからひとつずつ取り組んでいきますので、保護者等の皆様の御理解と御協力をお願いいたします。

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『置かれた場所でしっかり咲いています』

 ひょっこり華道部の生徒が訪れました。生けたばかりの花を私のところに届けてくれました。せっかくですので、生徒の了承を得て顧問の先生に写真を撮ってもらいました。

 私の自宅は札幌にありますが、個人的な趣味により花のガーデニングを12年間楽しんでおり、毎年4月から10月までの休日はほぼ庭で過ごしています。

 こうした趣味を持つ前は、山に咲く花や観光スポットとなっている花畑に出掛けて写真を撮影していました。ところが、家族にある大変な出来事が生じたことをきっかけに、いつも身近なところにお花が咲き、それを見たり摘んだりすることによって、勇気づけたり気持ちを楽にしてあげたい - その一心でいろいろ考えながらバラや花を植え庭造りを始めました。今では、すっかりナチュラルガーデン化し、手入れが大変な状態になっていますが、近所の方が写真を撮ったり、友人やかつて一緒に働いた同僚が見に来てくれるようになりました。

 興味のない人にとっては花など目にも留まらないのでしょうが、ちょっと急ぐ足を止めて、花をゆっくり見て欲しい、と思います。可愛い、綺麗、鮮やかな色、香り・・・何かしら感じるものがあるはずです。花は瞬間的に人の心を捉え、そして固まった心をやわらかくしてくれます。

 男子生徒に問いかけると「祖母が花好きで庭にも花が咲いていて、そういうところで育って、毎日見てきたので花が大好きです」と笑顔で話してくれました。これからの長い人生において、この気持ちを持ち続けて欲しいな、と思いました。忙しくゆとりがなくなるとそこに咲いている花を見ることも、見ようともしなくなるわけですから。

 校内に何カ所か華道部の生徒が生けた花が置かれています。

 『置かれた場所でしっかり咲いています』

 お花のある校舎とっても素敵ですよ。生徒の皆さんも教職員の皆様も是非ゆっくり見てください。

 何を想い生けたのだろう・・・窓際に置かせていただいた花を観賞しながら、この話を書いているところです。

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最初に会話をした生徒たち

 4階にある視聴覚教室から軽音楽部の演奏が毎日聞こえてきます。着任した4月1日の日も元気な歌い声と楽器の音が聞こえていました。(軽音楽部がある高校はめずらしいのではないでしょうか)

 その1日の退勤時に、活動を終えた男子生徒3名が校門付近の駐輪場でギターケースを背負い、自転車に跨がって楽しそうに話をしていました。「君たちはどんな音楽を演奏するの」と私が声をかけると、「いろいろなコピーです」と答え、私の聞き慣れないグループの名前をいくつか教えてくれました。

 実はこの3人、私が美唄尚栄高等学校にきて最初に会話を生徒です。10分くらいの立ち話でしたが、3人とも嫌な顔をせず私との会話に付き合ってくれました。3名とも高校に入学して初めて楽器に触れたとのことでした。練習を積み重ねて、高文連の大会に出場したり、各種イベントでの演奏をしていると話をしてくれました。「僕たちが引退したら部を引き継ぐ後輩がいないのでヤバいです。1年生を確保しないと」これが3人の喫緊の悩み。(どうやら何名か入部してくれたようです)

 さて、この写真は、25日(金)の大会に向けて、前日の17時30分に繰り返し演奏している姿です。4人の音が重なってアンプから演奏が流れてきます。しばらくの間、演奏を聴かせていただきました。ありがとうございます。

 ひとつのことに時間を忘れて打ち込む高校生の姿は感動的です。

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エネルギッシュな高校時代を

 校長室の窓の向こうに大きなグラウンドが広がっています。眼前に陸上300メートルトラック、その向こう側に野球グラウンド。美唄尚栄高等学校は施設設備に恵まれた環境にありますが、グラウンドもまさにそのひとつです。

 放課後になるとグラウンドで活動する生徒の姿を見ることができ、私もたまに外に出てその縁を邪魔にならないように歩いています。陸上競技部の生徒がトラックを走り、投擲の練習に打ち込み、球場では野球部員の声とともにキャッチボールやバッティングの音が鳴り響きます。

 この日は、練習前に顧問が部員を並べて写真撮影をしていました。たまたまその場に居合わせてしまった訳ですが、楽しそうな雰囲気だったので、顧問も部員の横に並べて写真を撮りました。生徒たちのエネルギッシュでぎらぎらとした表情が印象的で、若いというのはただそれだけでいいものなんだな、と思いました。

 先輩、後輩、仲間とともに熱い高校時代を過ごしてください。

    (写真を加工しています)

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生徒からの贈り物2

 22日(火)のお昼休み 校長室の扉がノックされ、3年次生の女子生徒が入室してきました。その後ろには付き添いで一緒に来た家庭クラブの先生の姿もありました。
 
 私が入り口まで駆け寄ると、女子生徒が「家庭クラブで作ったので是非お使いください」と、はにかみながらポケットティッシュカバーを手渡してくれました。ラッピングの表面に水色のお手紙が添えられていて、心のこもった文字で歓迎の言葉が記されていました。嬉しかったです。ありがとうございます。

 校長室の扉をノックする - 校長室に入室するなどという経験はおそらく初めてのはずで、緊張や照れくささで一杯一杯になったのではないかな、と思います。それでも行動に移した勇気にエールを送ります。

 私自身の話になりますが、中学時代に父親と校長室に入室し、校長先生からこっぴどく説教されたことがあります。それが小中高をとおして人生で最初で最後の校長室入室です。生徒にとっての校長室は縁遠い場所なのかもしれません。今後は、私の努力になりますが、身近にある校長室にしていきたいと考えています。

 着任してから数名の生徒が校長室に入室してきましたが、どの生徒も礼儀作法がしっかりしており、自校の生徒ながら感心しています。日頃から「社会に通用する18歳」を掲げ、生徒のために指導してくれている教職員のおかげであり、その成果が着実に現れていると感じています。

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校長室前には

 

 生徒のハンドメイドの作品が飾られている校長室前です。

扉のガラス窓にはクリスマスツリーをモチーフにしたキルト生地作品、壁にはフラワーボックスが取り付けられていて、2つの作品が私の出勤を迎えてくれます。

 「4月に入って季節外れですので窓ガラスの作品を外しましょうか」と担当の先生が私に言いましたが、「いえ、そのままでいいですよ」と返答しました。生徒が何かを考え、何かを想いながら作り上げた作品を飾っていたい、と思ったからです。

 時間があるときは授業の様子を見て回っています。ある日、たまたまフラワーボックスを作っている授業の教室に入りました。生花ではなく造花で作業をしていましたが、生徒たちは花を詰めては外し、別な花を差し込んだり、を繰り返しながら集中して作品づくりに取り組んでいました。おそらくは、写真のようなフラワーボックスを目指して。

 自ら考えて、工夫し、改善を重ねながらひとつの作品を仕上げていく。そこで得た知識や技術・技能を経験値として、更なる課題の解決に向けて考察していく・・・こうした学びが美唄尚栄高等学校では毎日行われています。

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生徒玄関の風景

 生徒玄関 - ここから一日が始まるところ

 「おはようございます」

 朝一番、生徒たちの挨拶が爽やかです。教職員の姿があると、生徒から挨拶してくれるのが美唄尚栄高等学校です。当たり前で簡単なことのように思えますが、実はそうではありません。残念なことではありますが、教職員から挨拶をしなければ生徒が挨拶をしてくれない、そうしたことがあるのも現実です。

 挨拶が自然に交わされる学校は、教職員と生徒の信頼関係が成立している証である、と私は思います。本校の長い歴史の中で培われてきたものをこれからも大切にしていかなければなりません。

 生徒玄関では週替わりで教職員が生徒を迎えますが、挨拶だけではなく、昨日の出来事やアルバイトのこと、今日の部活動のことや提出物のことなど、さまざまな会話がなされています。そうした会話が聞けることを喜ばしく思います。

 すれ違うわずかな時間ではありますが、毎日気持ちのよい朝を迎えることができています。

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空知っ子

 

 4月1日(火)に着任し、朝の打ち合わせで2階職員室に入った瞬間、窓の向こう側にこの景色が広がっていました。あまりの素晴らしさと懐かしさに一瞬言葉を失いました。

 私は空知生まれの空知育ち、バリバリの空知っ子で、高校を卒業して空知を離れましたが、毎日ピンネシリ山系に支えられ、石狩川の流れに守られ走り回って成長してきました。当たり前だったこの景色を長く忘れていましたが、唐突に子供の頃のことや家族で肩を寄せ合って生きてきたこと、中学や高校時代の数々の想い出がフラッシュバックしてきました。空知に帰ってきたんだな、ということを真っ先に感じた次第です。

 本校の生徒の様子を毎朝の玄関で、毎日のSHRで、授業中の巡回で見させていただいております。「おはようございます」と全ての生徒が真っ先に挨拶してくれます。朝のSHRは6クラスすべてが落ち着いており、担任の先生を含め穏やかな朝を迎えています。授業中も前向きに学習している姿が当たり前に見られます。温和で穏やかに成長している生徒を見ると、空知っ子だな、と感じます。学校全体が素晴らしい環境下にあることを誇らしく思います。
 
  (写真は令和7年4月18日(金)に撮影したものです)

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生徒からの贈り物

 4月に着任した 校長 日下 剛(くさか ごう)と申します。

 本日、教頭先生にお願いして、『校長の小部屋』を開設していただきました。生徒のこと、学校のことを発信していきますので、どうぞ御覧ください。

 先日、校長室に2年生の女子生徒が尋ねてきました。

 きちんとノックをしたあとに「失礼します」と言って、礼儀正しく入室してきました。

 「どうしましたか」と私が声をかけると「ポケットティッシュを入れるカバーを作りましたので、お使いください」と女子生徒がそっとラッピングしたカバーを私に渡してくれました。

 ラッピングの表面には、一字一字時間をかけて丁寧に書いたであろう小さなお手紙が添えられていました。

 お手紙の内容に 学校の大黒柱 と書かれていたのを読んだとき、改めて身の引き締まる想いと同時にうれし涙が出ました。素晴らしい生徒たちが在籍する学校で仕事ができることに感謝しかありません。

 大切に使わせていただきます。

 ありがとうございました。

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