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35年後の故郷の風景

 19日(月)3年次生の総合的な探究の時間の一コマです。地域の方々がそれぞれのテーマのサポーターとして関わってくれています。大変ありがたいことです。

(教室に入って真っ先に机の配置がいいなと思いました。)

 私が高校生だった時のことを思い出しながらこの話を書いていますが、学校で過ごした3年間において、先生以外の大人との関わりはなかったように思います。掘り下げて考えてみても何も浮かんできません。せいぜい宿泊研修や見学旅行等で説明してくれた大人くらいでしょうか・・・インターンシップもなければ現場実習もない、私が通った高校だけではなく、それが当たり前の時代だったように思います。

 地域のことを考える、地元の将来を考えるなどという機会はなく、私はひたすら地元を離れて都会に出ることだけを夢見ていました。大学進学で室蘭に行くことになりましたが、地元の何倍も大きい街に住むことで自分がステップアップしたかのような気持ちになりました。

 35年が過ぎて私の故郷も高齢化と少子化が進み、母校は残念ながら閉校しました。空き家が増え、建物を取り壊した跡地が目立つようになり、辺りに子供の姿はありません。実家に帰省するたびに寂しさが募ります。今更ですが、高校時代に地域に目を向けた教育を受けていたとしたら、自分の中で何かが変わっていたかもしれないし、故郷の風景も今とは大きく違っていたかもしれない - そんなことを思います。

 ここにいる生徒たちが35年後に自らの故郷の地に立ったとき、私が目の当たりにしている故郷と同じようになっていなければいいなと思います。いや、そうならないために地域の将来を考え、新たなアイデアで挑戦して欲しいと願っています。