北海道美唄尚栄高等学校 全日制 総合学科
北海道美唄尚栄高等学校 全日制 総合学科
「手術記念日なんだよ」「それじゃ、ケーキ買わないとダメだよね、で、いつだっけ」「だって今日だよ、もう遅いじゃん、でも13年かぁ、早いなぁ」夕食での妻と私の会話でした。長男が中学生になるタイミングで入学式を見届けてからの手術でした。それは妻のたっての願いでもありました。記念日と言ってのけるほどのメンタルの強さに私は正直負けたなと思いました。自分なら果たしてそう言えるだろうか・・・私はやはりそこまで強くはないはず。ただ、あの出来事があったから、ふと訪れる幸せな時間を愛おしく感じることができています。
私たちにとっての13年は、過ぎ去ってしまえば言葉のとおりあっという間だったかもしれないけれど、自らの命と向き合ってきた妻の13年とそれをただ見守ってきた私の13年は、言葉では言い尽くせない長い長い時間でもありました。そんな簡単にやり過ごせる時間ではありませんでした。
この冬の札幌は大雪に見舞われ妻は除雪により右腕を痛め、先日知人に教えてもらった円山(札幌)にある整体の先生に予約を入れ診てもらったようです。先生が身体に触れ治療に入る前にこう言ったらしいです。「消化器系が弱くそこから痛みが発生していますね。自分の思いや考えを上手に言えない性格で、それ故我慢したり自分の中に無理矢理思いを押し込めてしまってそれが原因で消化器系に負担をかけてきたんですね」13年前に手術したことなど話もしていないのに、身体のツボやその人が発する気を捉えて原因を突き止めたのがすごいです。わかる方にはわかるのですね。東洋医学って不思議ですよね。
さて、妻に一人ひとりの生徒と面談ではなくおしゃべりを昼休みと放課後に校長室で30分間しているんだよ、と話をしたら妻が私にこう言いました。「私、自己表現できない人の気持ちすごくわかるよ。言いたいけど言えないその気持ち。私はずっとそうだったから。人を不愉快にさせないためにいつも気を遣って我慢ばかりしてたから。だからね、生徒の気持ちを聴いてあげる先生の存在ってとても大事だと思う。世の中の学校の先生がみんなそうなるといいね。生徒が思いを言えるようになれば消化器系に負担をかけない人が増えて私みたいにならなくて済むからね」妻は笑いました。なんだか妙に説得力のある言葉でときり、としました。
私も経緯は違えど真っ直ぐに話を聴いてくれた先生がいたから今があります。最初はずいぶん失礼な物言いや態度をとったものですが、毎日のように私の前に現れては声をかけてくる先生にやがて心を開くことができたわけです。一人の先生の存在は人生を変えるほどの影響力がある。私は実体験からそう思っています。
モエレ沼公園内に咲いていたエゾエンゴサクです。この花の花言葉は 「妖精のような」「幸せな時間」「静かな喜び」です。本日の話とわずかながらつながるでしょうか。
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