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2025年10月の記事一覧

あんパン

 10月11日(土)イオンモール札幌発寒において、さんフェア2025第1回北海道農業高校収穫祭inイオンが開催され、本校も参加しました。事前に準備していた生産品の販売とパン製造の実演及び販売を行いました。本校を含めて道内11校の農業科のブースが設けられ、多くのお客様で賑わっていました。

 多くの人に注目される中で作業をして、自分で作ったものが自分の目の前で売れていくという経験は、滅多にできるものではないことから、生徒たちにとって貴重な学びになったと思います。安全に作業すること、安心して買ってもらうことについては、授業中に繰り返し聞いてきたことだと思いますが、その意味するところが理解できたはずです。参加した生徒と4名の先生方大変お疲れさまでした。

 午前の早い時間に妻と一緒にイオンに足を運び、生徒が作った焼きたてのあんパンを購入しました。「あんパン、って実はすごく難しいんだよ。あんがきちんと真ん中にくることは簡単じゃないんだから」パン教室に何年も通って、多くの技術を身に付けた妻はそう言いながらあんパンを半分に割り、「あぁ、きちんと真ん中にきているよ」と嬉しそうな顔をして齧りました。「美味しいよ。いいなぁ、パンを焼ける授業があるなら、私、サポート役で生徒と一緒にやりたいよ。そういう学校があったのなら間違いなく入学してたなぁ」

 本校のフード系列で毎日パン作りをしているわけではありませんが、実習の中で様々なパンの作り方を学んだことがきっかけとなり、家庭でもパンを焼き、その趣味が講じてやがてパンを販売するお店を持つ・・・そうした将来が拓けていく可能性がある。私はまるっきりの夢物語ではなく、実現可能な夢であると思っています。商いは簡単なことではありませんから、経営に関する勉強は求められますし、更なる美味しいパン作りの研究や修行も必要でしょう。その努力を積み重ねた先に、本校で学んだ生徒が美唄市内でパンのお店を出店してくれたらどんなに素敵だろう - そんなことを考えながら真ん中にきているあんパンを私も齧りました。

 この日、生徒たちの活躍に背中を押されました。私も自身の夢の実現に向けて負けてはいられないな、と。

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無事終了しました

 3泊4日の見学旅行を無事終えることができました。保護者等の皆様には旅行費用並びに旅行に係る準備等をしていただき感謝申し上げます。御負担をおかけいたしましたが、充実した研修を行うことができ、当初の目的を達成することができました。大変ありがとうございました。

 見学先、宿泊先において、生徒は最高の笑顔を見せてくれました。両手にたくさんのお土産を下げ、ぬいぐるみやキャラクターの被り物を纏い、楽しそうに語らう姿を見ていると、教え子たちと過ごした見学旅行のことや自らの見学旅行のことを想い出しました。みんな同じなんだなぁ・・・そう思いました。

 時間が流れ、生徒たちがやがて子を持つ親になり、五十代六十代と歳を重ねる中で、3泊4日の見学旅行はどんどん点のような記憶になっていくわけですが、それでも何かの拍子にこの日のことを想い出すとき、凝縮された数々の出来事が一気に膨らんでくる - 私自身の経験から、そのような日がいつかくる、そう思っています。

 仲良くしている友達とのお買い物、深夜のおしゃべり、歴史的な建造物をバックに並んで撮った写真・・・一人ひとりの心にしっかり焼き付いているはずです。いつまでも大切にしまっておいてください。

 見学旅行の引率のため、しばらく小部屋の更新を控えておりました。久しぶりにホームページを開きましたら、21万5千を超えるアクセス数となっておりました。

 いつも御訪問ありがとうございます。

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見学旅行に出発します。

 明日から2年次生は3泊4日の見学旅行です。私も引率しますので、今晩はスーツケースに衣類等を詰め込む準備をします。今週から北海道は一気に秋が深まるようで、今朝はそのとおりに空気が冷え込んでいました。薄手のコートが欲しいな、と思わせるような感じでした。旅行先となる関西は日中は25℃を超えるようで、夏物のスーツがちょうど良さそうです。

 飛行機の搭乗は年末年始以来ですので10ヵ月ぶりです。北見に単身赴任していたとき、女満別-丘珠間の飛行機を何度も利用しました。自動車ですと高速道路を利用しても5時間ほど要しますし、特に冬場は交通事故のリスクを避けるため、片道35分の飛行機に搭乗していました。早割ですと片道8000円なので懐にもやさしかったです。
 
 丘珠空港から自宅までは自動車で10分もかかりませんので、妻に迎えに来てもらうとドアtoドアで1時間の移動でした。積極的に飛行機に乗りたいか、というとそうではありませんが、この時ほど飛行機のありがたみを感じたことはありませんでした。早い。離陸してシートベルトの着用サインが消えて機内サービスのアップルジュース(いつもこれをいただきました)を飲み終えると着陸態勢に入ります。19時15分に離陸、20時15分には自宅の玄関です。

 丘珠から女満別に向かう飛行機は風向きによって離陸する向きが変わり、西寄りの風だと飛行機はぐるっと旋回して我が家の上空を飛行します。今度はいつ帰れるだろうか・・・私は小さな窓からこの辺だろうと思われる自宅周辺を眺めては寂しい気持ちになっていたのを覚えています。

 北見での毎晩のランニングにおいて、19時20分頃に女満別を飛び立った飛行機がパッ、パッ、とライトを点滅させて私の頭上を大雪山旭岳方向に飛行していきました。あと30分後に丘珠、そしてこの飛行機に乗っていれば50分後に自宅なんだよな、と思って眺めていました。遠い300キロ先の自宅。今度この飛行機に乗る日のために明日も精一杯仕事をしなければならないな、と自らを励ましていました。

 飛行機の話から私の単身赴任にまつわる話になってしまいました。丘珠空港を飛び立つ飛行機の写真です。

 生徒たちが満足できる見学旅行になることを心から願っています。

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一生懸命に跳ぶこと走ること飛ばすこと、そして、

 一生懸命になっている友を応援し、走った結果を讃え、リレーのゴールにみんなで跳びはねながら喜びを分かち合う。肩を組み、円陣を組み、心をひとつに声を上げる。思い切り助走をつけて跳び、ピストルの号砲でゴールをめがけて全速力、重い球を力の限り向こう側へ飛ばし、大勢でひとつのことに歓喜する時間。そのような機会は人生にそう多くは訪れません。

 人は簡単に一生懸命になりなさい、とは言うけれど、自らの肉体のエネルギーをゼロまで出し切る一生懸命って、人生に何回もあるわけではない、と私は思います。私は市民ランナーですから、年に数度は立ち上がれないくらいの一生懸命はありますが、それはたまたまのことであって、そうでなければ、おそらく高校時代を最後としていただろう、と思ったりしています。

 だからこそ、今、高校生のこの時にその貴重な時間を全身で味わって欲しい。勝っても負けても、1位でも転んでも、運動が得意でも苦手でも、人生の良き一コマを心に焼き付ける時間にして欲しい。一回一回の限られた機会を大切にして欲しい。私はそう願っています。

 恥ずかしい話ではありますが、中学校の陸上競技会のような行事で、全員が100m走を走らされる競技があり、素直でなかった私は意味もなく手を振りながらスタートからゴールまで歩きました。あとのことは全く覚えていません。その記憶しか残っていません。こんな私をみんなはどう見ていたんだろうか。冒頭で書かせていただいたような一生懸命に跳ぶこと走ること飛ばすこと、そして、などとという記憶がありません。寂しい限りです。

 全校生徒が揃う機会は滅多にないので、運動会の開会式前に撮影しました。そのときに、失敗したな、もったいないことをしたな、うらやましいな、と思った次第です。まさに、後悔先に立たず、です。

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疑問の探究

 「それってどうしてなんだろ」1年次生の『現代の国語』で取り組んでいる疑問の探究について、9月2日、3日の中間発表会の様子を校長の小部屋でお伝えしました。その続きとなる発表会が先日行われました。約一月の間に内容やスライドに磨きがかかり、バージョンアップしたプレゼンとなりました。

 真っ先に感じたことはプレゼン力が上がったな、ということです。みんなの前に一人で立つことに抵抗感を持たず、堂々と発表する姿は立派でしたし、質問や提案に対して臆することなく、自らの考えを主張している姿に一人ひとりの成長を感じました。環境が人を変えると言いますが、まさにそのとおりだなと思います。

 このような取組が総合的な探究の時間における発表や就職活動における面接、大学入学選抜試験におけるプレゼン等に結び付いていきます。相手に理解してもらうためには、自らが理解していなければならない。そのためには、物事を掘り下げて学習する必要がある。

 本授業のシラバスを改めて読み返しています。生徒に対し「良いプレゼントは何か、そのためにどのような要素が必要かを考える」とありました。翻って教育職にある私たち向けに言葉を置き換えると「良い授業とは何か、そのためにどのような要素が必要かを考える」となります。教職員一人ひとりに与えられた永遠の課題であり、課題解決に向けた永遠の取組が求められます。

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クッキーとポケットティッシュケース

 9月27日(土)午後から一日体験入学を実施しました。多くの中学生と保護者等の皆様の参加を得て、無事に終了することができました。今回、所用等で参加が叶わなかった方がいらっしゃいましたら、放課後等に校舎の案内や説明をさせていただきますので、本校までお問い合わせください。

 この日の午前中、デザイン系列の2、3年次生3名と担当の先生が校長室を訪れました。デザイン系列の体験を選んだ中学生にお渡しするクッキーとポケットティッシュケースの詰め合わせを私にも、ということでした。心のこもったお手紙が入っていて、この日のために時間をかけて製作し、準備してきた生徒たちの気持ちが伝わってきました。参加してくれた中学生にあなたたちの気持ちは伝わったと思いますよ。

(写真の一部を加工しています)

 ホームページに掲載するけど写真大丈夫、と聞くと「はい、大丈夫です」と生徒たちが了承してくれました。訪れた生徒と一緒に写真を撮ってもらうことが多いのですが、純粋で素直な高校生の姿を見られるのが嬉しいです。みんないい表情で学校生活を送っています。異年次(学年が異なる)であっても仲良く交流しながら学校生活を過ごせるところもいいな、と思います。

 さて、相当昔のことになりますが、私の子どもも高校受験を前にあちらこちらの学校説明会に参加していました(残念ながら当時私が勤務していた学校の体験入学には参加してくれませんでしたが)。あの学校は学校祭が楽しそうだ、国公立大学進学実績に魅力がある、毎日宿題がたくさん出るらしい、家から遠い、制服がない、入試の当日点数を〇〇点くらいとらないとヤバい・・・などと、帰ってくるなり妻にあれこれ話していた姿が目に浮かびます。私はアドバイスらしいことは一切言わず(無関心だったわけではありません)、ただ黙って見守っていました。教育機関に勤めている私が口を挟むと、子どもの選択に何かしらの影響を与えてしまうかもしれない、と思ったからです。いくつか的を絞った高校の中から、自分がここで3年間を過ごしたい、そう思った学校で高校生になってくれれば、それでいいと考えていました。

 二人の子どもが高校受験と大学受験で私と妻をハラハラさせてくれたあの時間を、親として積極的に体験したいとは思いませんが、振り返れば、合格の喜びと思いが叶わなかった子どもの涙、大学受験に向けて勉強する日々・・・子どもたちからいい想い出をもらったかもしれないな、と考えたりもします。

 保護者等の皆様も高校受験を控え落ち着かない日々をお過ごしのことと思います。出願先が決まるまでの間、お子様の思いや悩みを真っ直ぐに受け止め、自らの経験を含めて語ってあげてください。

 御参加いただきました皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。

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