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2025年10月の記事一覧

この日、この時間でなければ

 もう雨なら雨でいいや、そう思って外に出ました。平日は静かな夜の町をゆっくりとランニングするのを日課にしています。静寂な空間で感じるのは自らの足音と呼吸のみ。私はこの時間がとても好きです。

 前の晩はゴウゴウと激しい風が雨を巻き散らしていたので外に出ることを諦めました。2日連続でランニングを休むことに歯がゆさがあり、行くしかないと意を決したわけです(こうしたことはいつもあります)。冷え込みが強くいつ荒天になってもおかしくない状況ではありましたが、幸運なことに小さな雨粒が時折頬に当たる、その程度の夜でした。

 国道沿いから幹線の向こう側に橙色の街灯に浮かび上がる銀杏の木を見つけたので、その場所まで走りました。決して大きな木ではありませんが、見事な色付きでしばらく見入ってしまいました。そのとき空から雪が降ってきて、それはそれでロマンチックな空間が演出され、私だけの特別な時間を過ごすことができました。これまた幸運です。雪と冬はどうしても好きになれないけれど、この日、この時間でなければ出逢えなかった風景。ためらわずに外に出て良かったな、と思いました。

(10月28日 19時 美唄市西1条南2丁目付近)

 本当はしっかりとしたカメラでシャッタスピードを3秒程度におとし、傍らにヘッドライトを点した自動車が抜けていけば流れるような光と雪の軌跡を残せたのに・・・スマートフォンで手ぶれしないギリギリのところで撮りましたが、やはり思い描いたような写真を残すことはできませんでした。仮に急いで家に戻りこの場所に20分後にやってきたとしても、同じ景色には出逢うことはできません。写真は、そのとき、を切り取るものなのです。残念です。

 自動車を運転していると気付かない風景でも、自らの足で歩みを進めることでそれまで見逃してきた多くの風景に出逢えます。私のランニングが続いている理由のひとつは、「見えなかったものを見つけられる魅力を知ってしまった」ことです。これは知った人にしかわからないおもしろさです。

 教育の世界にも相通じるものがあるように思います。その日その瞬間に見せる生徒の表情や仕草 - これを見逃さないためには、足で稼ぐことは必須です。とにかく近くまで行って様子をキャッチする。私は今でも実践しています。

 これから出張で札幌に向かいます。明日は更新いたしません。素敵な3連休をお過ごしください。 

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忘れていないよ

 4階の掲示板

 私の余計な言葉はいりません

 一つひとつの作品に

 言葉では語り尽くせない

 深い深いメッセージがある

 「忘れていないよ」

 いつまでも

 忘れないでいることが

 誰かの支えになり

 誰かへの応援になる

 私はそう思っています 

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 今朝のテレビニュースですが、標高300メートルの大倉山(札幌市)はもさもさと雪が降り真っ白な世界になっていました。いよいよだな、と思って外に出たら、私の頭上から雪が落ちてきました。朝7時5分、今年初の雪です。美唄市の初雪になるのでしょうか。

 見学旅行から帰ってきてからずっと天気がぐずついていて、雨ばかり降っています。晴れた日がほぼない状況です。青空が見たい、そう思います。

 朝、校舎内を回っています。4階奥の西向きの窓から灰色がかった空の中にぼんやりと冠雪したピンネシリ山系を望むことができました。この写真からわかるでしょうか・・・

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読書をしない

 北海道新聞の記事に、一日に全く読書をしない小中高生が50%を超えるという記事を見つけました。(無作為に抽出した同一の親子)。今の時代ですから本ではなく端末で読書を楽しむ子どもたちも多いのかもしれませんが、何とも残念な調査結果です。

 長く本に親しみ、本から多くの世界を教えてもらった私から言わせてもらえば(あくまでも個人的に)、読書をするかしないかの人生は180度異なる - そのくらい大きなことと考えます。でも、これは自分自身に言えることであって、他人に強いるものではありません。

 私の経験から読書は誰かに強制されるものではありません。話題となっている本やベストセラーを買い揃え宣伝しても本を手にする人が増えません。お金があるから読むとかお金がないから読まないでもありません。買わなくても学校の図書室や街の図書館で無料で借りて読むことができるわけですから。

 物心ついたときから身近に本があり、仲間と走り回るより本の世界に自分を置き、授業の合間に本を読み、大学の講義の半分は(それは大げさですが3割から4割りは)読書に明け暮れてきた私です。札幌で勤務した8年間の電車通勤は格好の読書の時間となりました。年齢を重ねるごとに気力が薄れ読量こそ激減しましたが、それでも月に2~3冊を読破しています。要は習慣ですし、自分の趣味の範疇に読書があるかどうかではないかと思ったりしています。

 読書する人を増やす議論ではなく、例えば右手を伸ばしたところに本があったり、教室の後ろの棚に本が並んでいたりする中で、何となくその本を手に取る人が一人いて、一冊読み終えた後に「おもしろかったなぁ」と次の一冊を広げる・・・そうした場所が誰かのためにあればいいのでは、と思ったりしています。 

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向こう側の風景

 今朝、『モチモチの木』があるだろうか、と図書館に足を運びました。残念・・・ありませんでした。斎藤隆介・滝平次郎さんの絵本は一冊もありませんでした。無性に読みたくなっているので、土曜日北海道大学の銀杏並木を見に出掛けるので、その帰りに書店に寄ろうと思っています。

 本校の図書館は4階にあります。今まで勤務した学校もほとんどが4階(最上階の端っこ)。小樽と北見の高校は2階でした。それぞれの学校事情はありますが、どうしてか上を好むようです。

 子どもたちがそれぞれ中学3年生になったとき、気になる学校の見学会に参加することから、私も教育関係者ということもあり、いくつかの学校を見学させてもらいました。個人的に本が好きなので図書館の配置が気になり、教室で授業を受けている生徒よりも図書館を真っ先に見に行きました。結局、長男は1階に、次男は2階に図書館を配置する高校に進学しましたが、生徒全員の動線上にある図書館っていいなぁ、と思います。本好きな人がさーっ、と本のある空間に入り、そこで自分の時間を過ごしていく。ぱらぱらページをめくったり、本棚に並べられた背表紙のタイトルや著者名を眺め、この一冊に広がる世界を想像する・・・そんな時間を過ごせる図書館。本離れ、読書をしない人が加速度的に増えているのは、時代背景からもわかるような気がしますが、動線は大きな要因なのかなぁ、と勝手に思ったりもします。

 図書館の反対側になる南向きの窓から見える景色が雨上がりの秋を漂わせていました。こういう現象を気象学的に?何というのかはわかりませんが、少しだけ早く出勤したことで目にできた風景です。何かいいことがあるかもしれないぞ、と勝手に思ったところです。

 ここのところずっと雨が降って、日に日に気温が下がってきています。体調管理に気を付け素敵な週末をお過ごしください。

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