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ごちそうさまでした

 「とりめしとナムルを作ったので食べてください」3年次生の2名が私のところにやってきました。選択科目『フードデザイン』の授業で作った料理です。「楽しく作れたかい」と聞きますと、ふたりは声を合わせるように「はい」と答え、爽やかな笑顔を見せてくれました。せっかくなのでホームページに掲載するよ、と断って、写真を撮らせてもらいました。

 美唄市はとりめしで有名ですが、農林水産省のホームページを読みますと、美唄市の郷土料理として親しまれ、発祥は北海道の開拓が本格的に推進された明治時代にさかのぼり、現在の美唄市中村地区に入植した農場主の中村豊次郎氏が、稲作が軌道にのるまでの期間、小作人たちの家計と健康を気遣い、つがいの鶏を与え養鶏を奨励したとのこと。その後、米がとれるようになると、客をもてなすために飼っている鶏のお肉を米と一緒に炊き込んだ「とりめし」で振る舞った、と記載されておりました。うむ、なるほど。歴史的な背景を知ることで地域理解につながります。私も勉強になりました。

 家族で私の実家に帰省するときに、途中美唄市内のとりめしを食べました。子どもたちが小学生だったように記憶していますが、よほどインパクトがあったのか、以来とりめしが食べたい、と言うようになりました。私と行動を共にする帰省はそれほど多いものではありませんでしたが、何度かお店に寄って食べました。

 やがてふたりが大学生になり自動車を運転するようになった頃、「子どもたちだけで食べにいったこともあるんだよ」と妻から聞いたこともあります。私が美唄に転勤が決まったことを子どもたちに伝えると、それぞれから、いつでもとりめし食べることができていいよな、と言われました。たった一度寄ったその店のとりめしの味がふたりには忘れられないものになったんでしょうね。

 生徒たちが作ったとりめし大変美味しかったです。ごちそうさまでした。