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廃材、でも、立派な作品

 先日、帯広工業高校で開催された北海道高等学校工業教育研究集会に参加しました。『高等学校における工業教育の果たす役割の重要性に照らし、研究集会を通じて、工業教育に携わる者としての専門性を向上させるとともに、工業教育の一層の充実・発展を図る』ことを目的に、毎夏開催されているものです。

 夏季休業期間中の先生方はのんびりしているか、と言ったらそうではありません。授業や部活動等で時間が割かれないこの時に、スキルアップを図るため、全道各地で開催される研修会に参加し、他校の先生と情報交換を行ったり、オンラインやオンデマンド研修で教科指導や生徒指導等に係る資質能力を高めています。

 さて、その帯広工業高校で生徒手づくりのお土産をいただきました。廃材を生かした人形です。本校も実習費は限られていますから、かつては捨てられていた材料を無駄なく有効に利用しています。どこの学校も無駄なく最後まで使い切る、そうした取組を進めています。

 見れば「そうか」となりますが、100人いたら100通りのアイデアが出てきて、例えば、①この写真の頭の部分が正六面体だからサイコロにしよう ②上部となる一面にボール盤で単純に穴を開けて鉛筆立てにしよう ③積み木の一部材にしよう・・・すでに3つのアイデアが浮かびます。一個ではなく二個組み合わせたら、四個組み合わせたら「あっ、よくあるキューブカレンダーつくれるかも」これでアイデア4つ目。1分間で私は4つのアイデアを提案できました。

 自慢するわけではありませんが、私は結構なアイデアマンだと思っています。その私からしても生徒の発想は思いつきもしない新しい世界を見せてくれます。そこがおもしろい。この写真を見なかったとして、この人形を思いつくでしょうか・・・アイデアを提案した生徒と形にした生徒に感服します。

 アイデアと工夫が先行き不透明な社会を生き抜く術になる、と私は考えます。学力の高さや学歴ではない、発想の豊かさが新基準になる世界がすでに到来しています。アイデアと工夫を大切にする工業高校や本校のような総合学科で学んだ生徒たちが、新たな価値観を生み出し、魅力的な社会を創りをしていく - 私はそう信じています。