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2025年4月の記事一覧

『置かれた場所でしっかり咲いています』

 ひょっこり華道部の生徒が訪れました。生けたばかりの花を私のところに届けてくれました。せっかくですので、生徒の了承を得て顧問の先生に写真を撮ってもらいました。

 私の自宅は札幌にありますが、個人的な趣味により花のガーデニングを12年間楽しんでおり、毎年4月から10月までの休日はほぼ庭で過ごしています。

 こうした趣味を持つ前は、山に咲く花や観光スポットとなっている花畑に出掛けて写真を撮影していました。ところが、家族にある大変な出来事が生じたことをきっかけに、いつも身近なところにお花が咲き、それを見たり摘んだりすることによって、勇気づけたり気持ちを楽にしてあげたい - その一心でいろいろ考えながらバラや花を植え庭造りを始めました。今では、すっかりナチュラルガーデン化し、手入れが大変な状態になっていますが、近所の方が写真を撮ったり、友人やかつて一緒に働いた同僚が見に来てくれるようになりました。

 興味のない人にとっては花など目にも留まらないのでしょうが、ちょっと急ぐ足を止めて、花をゆっくり見て欲しい、と思います。可愛い、綺麗、鮮やかな色、香り・・・何かしら感じるものがあるはずです。花は瞬間的に人の心を捉え、そして固まった心をやわらかくしてくれます。

 男子生徒に問いかけると「祖母が花好きで庭にも花が咲いていて、そういうところで育って、毎日見てきたので花が大好きです」と笑顔で話してくれました。これからの長い人生において、この気持ちを持ち続けて欲しいな、と思いました。忙しくゆとりがなくなるとそこに咲いている花を見ることも、見ようともしなくなるわけですから。

 校内に何カ所か華道部の生徒が生けた花が置かれています。

 『置かれた場所でしっかり咲いています』

 お花のある校舎とっても素敵ですよ。生徒の皆さんも教職員の皆様も是非ゆっくり見てください。

 何を想い生けたのだろう・・・窓際に置かせていただいた花を観賞しながら、この話を書いているところです。

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最初に会話をした生徒たち

 4階にある視聴覚教室から軽音楽部の演奏が毎日聞こえてきます。着任した4月1日の日も元気な歌い声と楽器の音が聞こえていました。(軽音楽部がある高校はめずらしいのではないでしょうか)

 その1日の退勤時に、活動を終えた男子生徒3名が校門付近の駐輪場でギターケースを背負い、自転車に跨がって楽しそうに話をしていました。「君たちはどんな音楽を演奏するの」と私が声をかけると、「いろいろなコピーです」と答え、私の聞き慣れないグループの名前をいくつか教えてくれました。

 実はこの3人、私が美唄尚栄高等学校にきて最初に会話を生徒です。10分くらいの立ち話でしたが、3人とも嫌な顔をせず私との会話に付き合ってくれました。3名とも高校に入学して初めて楽器に触れたとのことでした。練習を積み重ねて、高文連の大会に出場したり、各種イベントでの演奏をしていると話をしてくれました。「僕たちが引退したら部を引き継ぐ後輩がいないのでヤバいです。1年生を確保しないと」これが3人の喫緊の悩み。(どうやら何名か入部してくれたようです)

 さて、この写真は、25日(金)の大会に向けて、前日の17時30分に繰り返し演奏している姿です。4人の音が重なってアンプから演奏が流れてきます。しばらくの間、演奏を聴かせていただきました。ありがとうございます。

 ひとつのことに時間を忘れて打ち込む高校生の姿は感動的です。

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エネルギッシュな高校時代を

 校長室の窓の向こうに大きなグラウンドが広がっています。眼前に陸上300メートルトラック、その向こう側に野球グラウンド。美唄尚栄高等学校は施設設備に恵まれた環境にありますが、グラウンドもまさにそのひとつです。

 放課後になるとグラウンドで活動する生徒の姿を見ることができ、私もたまに外に出てその縁を邪魔にならないように歩いています。陸上競技部の生徒がトラックを走り、投擲の練習に打ち込み、球場では野球部員の声とともにキャッチボールやバッティングの音が鳴り響きます。

 この日は、練習前に顧問が部員を並べて写真撮影をしていました。たまたまその場に居合わせてしまった訳ですが、楽しそうな雰囲気だったので、顧問も部員の横に並べて写真を撮りました。生徒たちのエネルギッシュでぎらぎらとした表情が印象的で、若いというのはただそれだけでいいものなんだな、と思いました。

 先輩、後輩、仲間とともに熱い高校時代を過ごしてください。

    (写真を加工しています)

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生徒からの贈り物2

 22日(火)のお昼休み 校長室の扉がノックされ、3年次生の女子生徒が入室してきました。その後ろには付き添いで一緒に来た家庭クラブの先生の姿もありました。
 
 私が入り口まで駆け寄ると、女子生徒が「家庭クラブで作ったので是非お使いください」と、はにかみながらポケットティッシュカバーを手渡してくれました。ラッピングの表面に水色のお手紙が添えられていて、心のこもった文字で歓迎の言葉が記されていました。嬉しかったです。ありがとうございます。

 校長室の扉をノックする - 校長室に入室するなどという経験はおそらく初めてのはずで、緊張や照れくささで一杯一杯になったのではないかな、と思います。それでも行動に移した勇気にエールを送ります。

 私自身の話になりますが、中学時代に父親と校長室に入室し、校長先生からこっぴどく説教されたことがあります。それが小中高をとおして人生で最初で最後の校長室入室です。生徒にとっての校長室は縁遠い場所なのかもしれません。今後は、私の努力になりますが、身近にある校長室にしていきたいと考えています。

 着任してから数名の生徒が校長室に入室してきましたが、どの生徒も礼儀作法がしっかりしており、自校の生徒ながら感心しています。日頃から「社会に通用する18歳」を掲げ、生徒のために指導してくれている教職員のおかげであり、その成果が着実に現れていると感じています。

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校長室前には

 

 生徒のハンドメイドの作品が飾られている校長室前です。

扉のガラス窓にはクリスマスツリーをモチーフにしたキルト生地作品、壁にはフラワーボックスが取り付けられていて、2つの作品が私の出勤を迎えてくれます。

 「4月に入って季節外れですので窓ガラスの作品を外しましょうか」と担当の先生が私に言いましたが、「いえ、そのままでいいですよ」と返答しました。生徒が何かを考え、何かを想いながら作り上げた作品を飾っていたい、と思ったからです。

 時間があるときは授業の様子を見て回っています。ある日、たまたまフラワーボックスを作っている授業の教室に入りました。生花ではなく造花で作業をしていましたが、生徒たちは花を詰めては外し、別な花を差し込んだり、を繰り返しながら集中して作品づくりに取り組んでいました。おそらくは、写真のようなフラワーボックスを目指して。

 自ら考えて、工夫し、改善を重ねながらひとつの作品を仕上げていく。そこで得た知識や技術・技能を経験値として、更なる課題の解決に向けて考察していく・・・こうした学びが美唄尚栄高等学校では毎日行われています。

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