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課題研究

 「何をしているの?」と質問しました。一人は「3Dプリンタの調子が悪いので直しています」もう一人は「マイコンカーのセンサをハンダ付けしています」メカトロ・エンジニア系列の課題研究の授業を見学しました。それぞれにテーマを持って取り組んでいるおり、トレーニング器具を製作するグループやベースギターを製作する姿もありました。何かに夢中になれる時間を持てるのはいいですね。とにかく表情がいいです。

 ものをつくることイコールすぐ完成ではありません。まず思うように動作しません。最悪は全く動作しないということもあります。その事実に直面したときに人間性を垣間見ることができます。腹を立ててしまう人(そもそも自分で取り組んだ結果に腹を立てても)、放り投げる人(今まで作業に費やした時間はもったいなくないかな)、動作するまで作業する人(完成して使う喜びを感じたい)、すぐ人に聞く人(これ、大切だけど手ぶらはダメです)・・・

 わからないことがあればすぐ聞くことも大事ですが、私は聞く前の在り方にこだわります。これは生徒だけに求めるのではなく、仕事をする大人にも求めます。大学の研究室で仕えた城谷教授に徹底的に報連相の指導をされ、そのことが社会人になるにあたってすごく役に立ちました。

 「日下くん、どうすればいいですかって聞くけど、どこまで自分で考えてどこでつまずいたの。それを聞かせてもらえないのなら教えようも答えようもないんだよ。まずは自分がどうしたいのかが大切なんだよ。どうすればいいと聞くのはやめなさい。」こう言われるとわからないことを徹底的に調べたり勉強したりしなければなりません。しかし、これが自分の理解度を確認したり、何をしたいのかにつながる大切なことでした。ゼミには厳しくユーモアたっぷりの先生で、私は先生に出会わなかったら今とは違った人間になっていただろうと思います。

 課題研究の様子を見ていて、研究室で実験に明け暮れていた時のことを思い出していました。聞く前に調べたり、この先どのような見通しを持って進めていくのかを考える - そのような生徒に育って欲しいと思っています。