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2025年9月の記事一覧

とら焼きとどら焼き

 5月中旬から校長室の入口扉を開放しています。その扉の付近から、こそこそこそっと小さな声で喋っている生徒の声が聞こえてきました。

 とんとんとん - 校長室の扉がノックされました。

 「校長先生、とら焼きとどら焼きを作ったので食べてください」頭から足下まで真っ白なユニホームに身を包んだフード系列の3年次生が、はにかみながら校長室に入ってきました。訪問してくる生徒はみんなそうなのですが、はにかみ表情が可愛らしくて、いつも私の心を穏やかにさせてくれます。まだまだ子どもなんだなぁ、と思ってしまいます。「せっかくだからホームページに載せる写真を撮ろうよ」と声をかけ、4人で並んで撮りました。

 「どうしてとら焼きなの」と聞きましたら「皮がとらの模様だからです」と返ってきました。なるほど、言われてみれば、です。餡は入っていませんでしたが、とら焼きもどら焼きもどちらも美味しかったです。ありがとうございました。

 とら焼きとどら焼きは、今後開催されるいくつかのフェアで販売する予定になっていますので、手に取ってもらえると嬉しいです。製造の様子を本校インスタグラムに掲載しております。御覧ください。
   https://www.instagram.com/bibai_shoei_highschool/

 みんなで楽しく作って、できあがったものを品評して、何が上手くいって何が足りなかったのかをみんなで考える。それを元に改良していく。大人になってからではなく、多感な高校時代にこのような体験ができることに、私は大きな意味があると考えます。

 変化の激しい時代、人生100年時代と言われています。生徒たちの将来は働く期間が長くなり、マルチステージの時代になります。学んで働き、学んで働き・・・を繰り返す人生になっていくものと思われます。

 【課題】どうしたらとら焼きの皮になるのか 【情報の収集】まずは調べなければならない 【情報の整理・分析】調べたことをまとめる 【まとめ・表現】実際に作ってみる これを繰り返していく。変化が激しく予測困難な時代だからこそ、常に【課題】が降りかかってくるわけですから、学びのサイクルは延々と続いていきます。本校で実践している学び方が、課題解決に向けたひとつの手段として役に立つと思っています。

 9月27日(土)の体験入学の受付をしています。是非、お越しください!!

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夏にさよなら

 夏にさよならしなければならない - 九月の夕暮れはいつも美しいのだけれど、私をセンチメンタルにしてしまう・・・

 9月10日 明治通りと美唄川の交差付近にて(写真を補正)

 夕食後のランニング。見上げる空はわずかに残る朱色が早送りされ、たちまちのうちに濃紺に染まっていきます。この日もそうでした。1分、2分と言ってはいられない加速度感。空の色は駆け足で切り替わっていきました。もう少し近づいたところから、なんて思いながら夕暮れに向かって走りましたが、もうこれ以上行くとこの空を切り取ることができない、と諦めて写真を撮りました。

 ずっと遠くから演歌のような音楽が時折風に混ざって聞こえてきました。空知神社秋季例大祭の初日。秋祭りのスタート。音源はおそらくそこからのもの。

 否応にも秋の訪れを私に伝えてきます。目の前を通り過ぎる赤とんぼ、道ばたに落ちてしまった葉、黄金色の田、道路沿いのすすき、草むらのコオロギの声、そして肌に感じる風・・・

 本日で単元まとめテストが終了します。3年次生は来週から解禁される就職試験に向けた準備、久しぶりの部活動やアルバイト等が再開されます。学校帰りにお祭りに寄っていく人も多いのかな。

 本校の生徒にも秋の時間が訪れています。

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かけがえのない大切なもの(美唄中学校合唱コンクールより)

 美唄市立美唄中学校の学校祭企画の目玉でもある合唱コンクール。かねてより浅利校長先生から「審査員をお願いします」とお声がけをいただいたこともあり、わくわくしながら訪問させていただきました。

 最後に合唱を聴いたのは、次男の中学校の卒業式。その前となると2年遡った長男の中学校の卒業式になります。8年前、10年前のことになります。どちらも公立高校の合格発表前で、親としては子どもが卒業する喜びの裏で合否の行方にそわそわしている、そんな複雑な胸中だったのを覚えています。合唱(たしか大地讃頌だったような)の歌声とともに、脈絡もなく溢れ出してくるさまざまな想い出に浸りながら、私はただただ目頭を押さえていた - この歌声のどこかに、間違いなく自分の子どもの想いが混じっているんだ、そう思いながら聴いていました。

 さて、1番手は2年1組「COSMOS」。表現のしようがないのですが、ピアノ伴奏から心にぐっ、とくるものがあって、最初の歌声がピアノに載った瞬間に鳥肌が立ちました。合唱の善し悪しではなく、子どもたち一人ひとりの想いがひとつに重なって私の胸にどーん、と迫ってきました。

 すごい - それ以上の言葉は出てきませんでした。本当に感動した時って、言葉は出てこないんですね。それともうひとつ、歌詞の一部ですが、ここがとても素敵でした。「君も星だよ みんなみんな 時の流れに 生まれたものなら ひとり残らず 幸せになれるはず」(ミマス作詞)こういう素敵な言葉を大人になっても、いつまでも心に留めておいて欲しいです。

 6つのクラスの合唱は、それぞれのクラスの特徴が表れていて、同じ曲なのに全く違う表現があって素晴らしかったです。ひとつの曲に生徒一人ひとりの想いが乗せられて最後はひとつの歌声になって響く・・・合唱の奥深さに心が打たれました。

 ひとつの歌声にするまでにさまざまな苦労があったはず。それを乗り越えた一人ひとりの心には合唱が終わったという現実だけではなく、かけがえのない大切なものが植え付けられています。美唄中学校の生徒の皆さん、感動をありがとう!

 自校に所属していない子どもたちの写真撮影はできませんので、今日の写真は、合唱コンクールが終了した後に浅利校長先生といただいた給食です。美唄市の給食は食材にこだわっており大変美味しい、と各方面から評判が高いとのことです。そのとおり美味しかったです。ごちそうさまでした。

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目線を合わせて、視点を変えて

 校門前のひまわりが満開になりました!!

 私の朝を出迎え帰りを見送ってくれるひまわりです。

 さて、少し難しい話をさせてください。

 こうなんだ、と決めつけてしまうとそこだけしか見えなくなります。特に若いときは狭い世界のさらに小さなひとつのモノしか見えない - 私自身の経験から言えることでもあります。それで失敗したこと、周りの人に不快な思いをさせてしまったこと・・・私にはたくさんあります。

(立って撮影)

 誰かに教えてもらったことではないけれど、カメラを持ってさまざまな被写体や風景を切り取っていくときに、立ったりしゃがんだりするだけで、ファインダ越しに見えてくる像が大きく違ってくることを覚えました。望遠レンズで引っ張ってくるよりも、そこまで足を運んで像を結ぶと遠くからは見えなかったものが見えてくることを知りました。そんなことは当たり前なのですが、意外と人は気付いていない。

(座って撮影)

 学生時代にカメラを始めたとき、上から見下ろすだけの単調な写真を撮っていたけれど、体調を崩して再スタートしたカメラは目線を合わせてシャッタを押すことが多くなりました。花を撮影することが多かったのですが、マクロレンズで撮影する時など、私は草むらに身を横たえ20センチや30センチまで花に顔を近づけて撮影をしていました。

 離れた位置からはただの花びら一枚でも、ぐーん、と近づくと花びらの筋やそこに載る花粉の粒まで撮し込むことができるわけです。おもしろくてずいぶんのめり込みました。嫌なことを忘れ、心の中に蓄積した負の荷物を捨てられる時間でした。自分自身のモノの見方が如何につまらないものだったか - この時期に教えられたことでもありました。

 そうした経験の中から少しずつ自分自身が変わっていったんだろうと思います。そういう意味では、あの長い時間も決して無駄ではなかったと思います。一方向の高い所から、ではなくて、ぐるーっと回って目線を下げた所から見てみる。被写体の一番いい所に触れることができるはずです。

 目線を合わせる、視点を変える - 始めてみませんか!

 本校のホームページの閲覧誠にありがとうございます。昨日から本日にかけての1日で1400件のアクセスがありました。インスタグラムも更新しておりますので、是非御覧ください。ありがとうございます。

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探究

 9月4日(木) 探究学習中間発表会を実施しました。7月25日に実施する予定でしたが、高温下による熱中症を防ぐため延期させていただきました。進路活動(就職)が本格化する3年次生には、発表会に向けた準備で負担をかけることになりましたが、この日の発表を見て単純に中止にしなくて良かった、と思いました。3年次生の皆さん、本当にお疲れ様でした。また、本校にお越しくださいました皆様に対しましてもお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 9つのブースが用意されました。「商品開発(グッズ)」「商品開発(食品)」「道の駅」「防災」「健康」「広報・SNS」「若者が集まる場所(フード)」「若者が集まる場所(娯楽)」「若者が集まる場所(イベント)」生徒たちが一つ決めたテーマに対して調査し議論を重ねてこの日の発表に繋げました。

 汗を流しながら説明する姿、真剣な表情で語る姿、予期せぬ質問に一生懸命に答える姿・・・教室では見ることのできない3年次生の姿に触れ、私は感動しました。場慣れしている今なら私もできると思いますが、37年前の高校3年生だった自分にこれができたか・・・生徒の姿からそうしたことも考えさせられました。生徒にはさまざまな可能性があるんだな、と思います。

 もしかしたら実現できるかもしれない - そう思わせるアイデアが詰まっています。仮に実現できなかったとしても、誰も気付かなかった発想が詰まっています。この発表で終わり、来年1月までの取組で終了ではもったいないな、と思います。

 この後、地域の関係機関と打合せを重ねていくグループもあると聞いていますので、原石をさらに磨き、輝くものにしていって欲しいです。

 美唄市長桜井様の言葉をもう一度。

 「ゼロから1を生み出す力がこれからは必要となります」

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