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2025年9月の記事一覧

一冬越えて

 ヨーロッパ原産のアストランチアという素朴でかわいらしいお花があります。お店で購入すると一株800円ほどの結構高めの宿根草です。我が家では白とピンク、赤い3種の花が6月中旬から咲き始めます。上手に育てると数年後に見事な株になり、40センチほどの草丈でたくさんのお花をつけます。

 開花期間は約一ヶ月で7月も終わる頃、花は終わってしまいますが、十分に乾ききった花をハサミで切って、庭の空きスペースに埋めて一冬越させると、翌年、そのうちの数カ所から芽を出します。確率からいうと10%ほどでしょうか。

 毎年、ゴールデンウィークあたりからいろいろな花の芽が土の中から顔を出すので、それを楽しみにしています。中でもアストランチアの発芽があると、ついつい嬉しくなって「芽が出てきてるよ」と妻を庭に呼びます。そうして二人でのぞき込んでいます。

 11月後半から3月上旬までの長きにわたる冬を乗り越えて命を芽生えさせる・・・その生命力に毎年感動させられます。命ってすごいな、生きるってすごいな、と。私にとっての花々はそういうことをまじまじと考えさせられるものでもあります。

 華道部の生徒が生けたお花が今月も校内に飾られています。御覧ください。

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届けてくれました

 華道部の活動が終わった後に、男子生徒がお花を届けてくれました。4月から部員が月替わりで校長室にお花を届けてくれて、そのたびに校長室に見事な彩りを与えてくれます。何がいいか、それは生徒が生けたということ、そして花の美しさです。

(8月28日放課後 写真掲載については本人の了解を得ております)

 彼は前回4月25日(校長の小部屋には4月30日に掲載しておりますので、是非御覧ください)、私が着任してすぐに届けてくれましたので、生徒の作品がひと回りし、2ローテ目に入ったことになります。毎月毎月、届けてくれた生徒と話をして写真を撮らせていただき、こうして紹介できるのが私にとって密かな楽しみになっています。こんな贅沢をさせてもらっていいのだろか、といつも思っています。

 私は彼に言いました。「この先卒業して、大人になってもたくさんのお花に触れる人生を送って欲しいと思うよ。そういう素敵な人になって欲しいよ」と。

 自分の気持ちを穏やかにさせてくれるものを何かひとつ持って欲しい、という強い思いが私にはあります。たまたま私は花だったりJAZZだったりするわけですが、誰にも邪魔されずに、そのことだけに時間を使える - その時間が、ふと我に返ったときに、弱腰になっている自分を助けてくれていたり、決断を迫られる局面での自分を支えてくれていたりする・・・私の人生の中にはそうしたことがいくつもあります。

 自分の経験にはなかったので余計にそう思ってしまいますが、多感な高校時代に花に触れられるのっていいですね。私は、高校生の頃、花など見向きもしなかった。他に触れるべき見るべきものがたくさんあったということなのでしょうが、たくさんの美しい花を見逃してきてしまった我が人生が残念でなりません。

 多くの生徒が校長室に足を運んでくれます。廊下を歩いていても、教室に入ってもすぐに声をかけてくれます。素晴らしい生徒たちが在籍する学校に勤務できていることに感謝しています。本校のホームページに御訪問いただき、生徒たちの姿を感じとっていただけますと幸いです。

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