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長く動作させていなかったマシンで

 メカトロ・エンジニア系列の生徒が使用する工業系の実習室には、まちの工場で目にするような大型のマシン(工作機械)があり、鉄材等の加工に応じたマシンを利用して実習を行っています。

 いつからなのかは定かではありませんが、長く稼働していなかったマシンを電子機械を専門とする先生が苦労を重ねて動作させるまでに漕ぎ着けました。マシンを動作させるためにはプログラミングをつくり、そのプログラムをマシンのコンピュータに転送しなければならないのですが、転送するための機器を探すところからのスタートでした。

 古いマシンであることから、プログラムを格納するメモリの容量がわずかで、せっかくのプログラムも一気に転送することが困難で、ブロックごとに分けて転送しなければならないなど、相当な手間がかかる中で、放課後に粘り強く作業を積み重ねてくれました。その姿を私は何度か見てきました。同じ工業を専門とする者として、どれだけ大変だったかを私は理解できます。お疲れ様でした。

 「まずは校長と教頭の分として作ってみました。校章と学校名を切削したプレートが何とか完成しました。メモリが小さいのでプログラムを小分けにするのと、切削ドリルの刃をその都度交換しなければならないので、ものすごく手間がかかって大変でした」動いていなかったモノを動かしたこと、新しいモノがあれば苦労しなくて済むのに、何が何でも動かし今後の実習で生徒に使わせるんだという熱意を感じさせるプレートです。校長室に足を運んでくれた先生の顔は、まさに職人、そのものでした。

 AI時代です。合理的で効率的であることに着目される世の中です。ただ、AIで対応できないことがあります。人の手でなければ対応できないことは、この先も変わらずあり続けます。そのことを改めて考えさせられる出来事でした。

 動かないのならそのままにしておけばいい。壊れているのなら仕方ない。手間がかかるから使わなければいい。故障しているからできない。そうしたことが当たり前になっていくと、将来的にサービスが行き届かなくなりどんどん衰退していきます。その行き着く先は、私たちの生活への支障、です。

 何とか直す、必ず動かしてみせる - 熱意を持つことが大切なんだろう、と思う日々です。