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2025年12月の記事一覧

可愛らしい空間

 昨日に続き、展示の話になりますが、この写真はいかがでしょうか。

 浴衣、ワンピース、エコバッグ、ポーチ、ペンケース、ポケットティッシュケースなど、布細工が所狭しと展示されています。

 デザイン系列で学ぶ生徒の作品が展示された可愛らしい空間(廊下)です。生徒玄関と職員玄関から少し離れた位置にあるので、来校する全ての方の目に留まらないのが残念です。この場所はこの場所として、何とかしてもうひとつ展示場所を動線の多いところにしたい、と考えています。

 ここは、4月に着任して校舎の全てを見て回り、いいなと思った場所のひとつです。これは特色のひとつになる、と思いました。パーっ、と明るく広がりを見せる可愛らしい空間 - 素敵だな、と。勤務してきた学校、出張等で訪問した学校など数々ある中で、このスタイルは見たことがありません。自慢できる場所のひとつです。

 自分で作ったものを多くの人に見てもらえる機会は、そう多くあるものではありません。生徒にとって素晴らしい経験になりますし、こうした展示を積極的に行ってくれる教職員にも私は感謝します。今年度、北海道教育委員会は『生徒を主語にした教育活動』を掲げています。私はこうした取組が実践のそのひとつであると考えます。

 この先の人生、忙しさの中で多くのことを犠牲にしたり後回しにしてしまったり、いつの間にか忘れてしまっていたり・・・慌ただしさの中で見失うものの多さに気付くときがきます。何かの拍子に、?となり、自分に向き合うときが必ず訪れます。

 自分に何ができるだろうか、自分は何かに挑戦できるだろうか、自分が一番やりたいことは何なのだろうか・・・そのときに自分の手でひとつのものを作った経験が生かされるときが来るかもしれない。どこでどうなるかなんて誰にもわからないわけです。

 もう一度、高校のときに作ったバックを作ってみようかなぁ - このことがきっかけになり、作品をインターネット上に紹介し、誰かが興味を示し購入してくれるかもしれない。趣味からやがて起業につながるという展開だってあるかもしれません。

 レールに乗るしかなかった生き方が、今は自分でレールを敷いて生きていく時代に様変わりしています。『探究的な学び』、『体験的な学び』を大切にしている意味は多々ありますが、そのひとつに、「たったひとつの経験が自らのレールを敷き、生きていくことにつながっていくんだ」ということを生徒には知っていてもらいたいです。

 高校時代に素晴らしい経験ができている自分を誇りに思ってください。 

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小さなほころび

 生徒が作ったものをみんなが見えるところに飾ったり掲示して欲しい、と何度かお話しました。最初は先生方も遠慮気味でしたが、廊下を歩くとたくさんの作品を目にすることができ嬉しいです。私よりも生徒が一番嬉しいと思います。

 学校のことや生徒のことをこのブログ内で褒めるのもどうだろうか、と思いながら書きますが、生徒は誰一人として作品にいたずらするようなことがありません。8ヶ月様子を見てきていますが、皆無です。そんなこと当たり前でしょ、と思われるかもしれません。しかし、学校現場においてはこれが当たり前ではないということを私は経験的に理解しています。どこかがちぎられていたり剥がされていたり、引っ張ったり外したり・・・小さないたずらを私はたくさん見てきました。

 過去に遡り、小さなほころびを見逃すことなく生徒を育ててきた教職員の賜だと思っています。いつまでもいつまでもこの状態が続いていくように、私たちは教育活動を行っていかなければなりません。

 朝一番、そして、下校を迎える時間、私は生徒玄関に足を運び、ツリーのイルミネーションを点灯させています。多少の電気代はかかるかもしれませんが、輝くクリスマスツリーのもとに登校、下校して欲しいのです。気持ちのざわつきがもしかしたら穏やかになるかもしれない - そんな願いを込めて点灯させています。

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クリスマスツリー

 12月1日(月)の放課後に、生徒会執行委員と担当の教員が中心となって飾り付けをしてくれました。私の身長(180センチ)を超える大きなクリスマスツリーです。飾り付けしてくれた皆さん、ありがとうございます。生徒玄関は、生徒が必ず2回通るところですから、クリスマスツリーを見て、毎朝毎夕気持ちがほっこりしてくれたら嬉しいです。私も嬉しくなって、2日の朝に記念写真を撮りました。

 大人にとっては気にも留めない小さなことかもしれません。でも、多感な生徒にとっては大きなこと。私はクリスマスツリーの展示に大きな意味がある(信仰する宗教等の話は抜きにさせてください)、と思っています。いつからこの取組が始まったのかは確認していませんが、思いつき実行した最初の誰かを私は尊敬します。『生徒の喜ぶ姿を見たい』『生徒のためにやってあげよう』その思いが、こうして現在に至っているのですから。

 生徒と教員の信頼関係の構築は、小さなことの積み上げです。生徒のためにやってあげられる小さなことを重ねていけば、それはやがて学校全体の雰囲気をも変える、そう信じています。

 玄関に立っていると「クリスマスツリー飾ってくれたんですね」と生徒たちが私に話しかけてきます。きっと嬉しかったんだと思います。執行委員の生徒が登校してきたときに、「飾り付けありがとう」と私はお礼を言いました。いい笑顔で「はい」と返してくれました。

 学校祭の終わりに先生方が集まった会で、12月にクリスマスツリーを展示することを聞きました。私はそこでひとつのアイデアを提案しました。そういうことがあってもいいよね、と。それが(ここでは書きませんが)実現するのかしないのかはわかりませんが、何か生徒に考えさせたらどうだろうか - ひとりそんなことを思っています。本校の生徒であれば安心してひとつ預けてやらせてあげていいだろう、と。

 子どもたちが小さい頃、私が設計、製作したロボット工作をクリスマスプレゼントにしていました。まだ、何もわからない二人はセンサーの反応で走行するロボットをきゃっきゃっと床を這いながら追いかけていました。最後は線が切れて、シャーシが壊れて、というのが定番ではありましたが、20年以上も前のことがつい昨日のように思い出されます。私の手づくり電子工作プレゼントを喜んでくれた期間はあまりに短く、次は宇宙戦隊ロボット、野球盤、電子ゲーム機、テレビゲームのソフト、そして最後は哀しくもお小遣いになり、高校を卒業し家を出て行きました。

 親父が何か作ってクリスマスプレゼントくれたよな。そのことを二人が覚えてくれていれば嬉しいのですが・・・またまた私のエピソードを書きました。

 30万アクセスを迎えることができました。今後も本校の教員が、ホームページ、インスタグラム、noteを更新してまいります。お時間のあるときにお読みになっていただけますと幸いです。

 今後とも何卒よろしくお願いいたします。

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今年も残すところ

 昨日、午前中から午後まで美唄市内は強風が吹き荒れました。生徒が下校時刻を迎える頃には風は収まりましたが、校長室の窓ガラスはバタバタガタガタと割れんばかりの音を立てていました。

 あっという間に12月です。今年も残すところ、というところになりました。生徒玄関に立ち、生徒を迎えていると、「今年もあと30日になりましたね」と1年次の男子生徒がニッ、と笑いながら私に話しかけてきました。「あと、30回寝たらお年玉がもらえるね」と私が言うと、「お年玉楽しみですねぇ」と言いながら階段を上がっていきました。4月、5月はどことなく中学生の雰囲気が残る1年次生でしたが、今ではすっかり高校生の顔になりました。みんな成長しました。

 「おはようございます」と先に生徒から挨拶してくれるのが嬉しいです。これが当たり前のようで意外とそうでもないのです。学校の様子は、生徒の挨拶、生徒玄関の下駄箱の使い方、教室の整理整頓でほぼわかります。これができていないと次の段階(授業、行事)に進みません。長い時間をかけて積み上げてきた結果が現在であり、これを維持するとともに、現状に満足せずに更なる高みを目指して教育活動を行わなければなりません。

 話はつながりませんが、昨晩のこと。風が止み、雨が上がったのを機に外に出ました。誰もいない美唄駅のホームです。もしかすると今晩から冬景色のホームに変わるかもしれません。  

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集中して、無心に

 土曜日の夕刻、第69回全道学校書道展(札幌市民ギャラリー)に本校生徒の作品が展示されているので、妻と一緒に見てきました。小学生から高校生までの作品がずらり並び、見つけるのにかなり時間がかかりました。足を運んで自分の作品を見てくれていたら嬉しいな、と思いながら、でも、わざわざ札幌までは遠いだろうし・・・我が子の作品を是非保護者等の方に見て欲しいです。この写真から伝わればいいのですが。

 今回展示された人もそうでなかった人も、作品づくりをしているときの自分を思い返してみてください。その時間だけは余計なことは考えず、集中して、無心に筆を走らせている自分がいませんか。

 先を見通すことが困難な時代、複雑な人間関係の中で生きていますから、頭の中では常にあれやこれや考えてしまっています。見えない答えに不安を抱えたり、時間の流れについていけず疲れたりします。私も同じです。

 私は過去に体調を壊した経験から、あえて考えない自分づくりを大切にしてきました。今も実践中です。物事に向き合わず逃げるということではなく、考えても答えが出ないもの、考えても仕方ないこと、考えても堂々巡りすること、考えても負のスパイラルになることについては、一切考えないことにしています。心に決めてその日から考えない自分になれたか、というとそうではありません。相当な時間がかかりましたが、そうするために、好きなことに集中する(無心になる)時間を一日の中に持つことを意識し実践してきました。それが功を奏したのか、今では肩に力の入らない楽な生き方ができています。

 先ほどの話に戻りますが、書道はまさにそうした時間が作れる絶好の機会ではないでしょうか。一人ひとりの集中と無心が作品の全てになっている - そういうことを考えて作品を見ると、見方が変わると思います。

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