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校長の小部屋

ゆっくりゆっくり

 約一月にわたる夏季休業を終え、本日登校日を迎えます。身体が重い、すっきりしない、憂鬱、冬休みまでまだまだ長いなぁ・・・そうした気持ちで今日を迎えているのではないかな、と思います。

 休み明けの初日。それぞれにそれぞれの思いで登校してくるはずです。今日というスタートラインは同じであっても、スタートダッシュはそれぞれです。素晴らしい加速で前に進める人と、躓いて転んでそこから立ち上がり走り始める人もいます。今週は、いきなりシフトアップするのではなく、ゆっくりゆっくりの加速でいきましょう。慌てずに自分のスタートダッシュを切ってください。

 始まりに当たり、生徒の皆さんにお願いです。多様な人がいる中で私たちは生きています。思いやりに欠ける行動や言動、わがままな考え方、自分を中心にした生き方、人の気持ちを考えない生活は、他者を傷つけ、他者を不愉快な気持ちにさせます。人との関わり方について、自分自身はどうなんだろう、ということについて思いを馳せて欲しいな、と思っています。

 朝、7時18分にこの記事を書いています。あと40分後に皆さんが登校してきます。どきどき心臓が鳴っています。私も緊張した朝を迎えています。

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読書

 恥ずかしくてあまり大きな声では言えませんが、大学の講義中は読書ばかりしていました。もちろんすべてではありませんが、哲学の講義の時に教授に見つかり、こっぴどく叱られたことがありました。「き・みっっ、ここからデテいきなさいっ」いつもは穏やかな教授でしたが、この日は鬼の形相で私を睨みつけていました。私のクラスで、大学生にもなって、しかも教授から叱られたのは、私だけだと思います。

 「すみませんでした」と私は謝罪し、素直に講義室から退室しました。隣に座っていた親友が後から「日下な、お前が悪いんだから、教授の部屋に直接行って、もう一度謝罪してこい、そうしなかったら単位出してもらえないぞ」と心配してくれたこともあり、翌日謝罪しました。その後どうなったかについては、今この場に私がいることで想像してください。

 小さな頃からずっと本に触れてきました。祖母がいつも本を読んでいたことと、母親が童話集を定期的に買ってくれたことが影響しているのだと思います。居間に一台のテレビがありましたが、私たち兄弟3人が番組を見られる時間は6時から8時までに放映されていたマンガのいくつかだけでした。それも父親の機嫌を伺いながらでしたので(ほとんど機嫌が悪かったのですが)、連続的に続いていく物語性のあるマンガですと、一話を見逃すと虫食いになり、突然展開が変わるためずいぶんと案配が悪いものになりました。テレビの前に子ども3人が笑い話しながらワイワイ楽しそうにしているところに、父親は自然に入り込むことができなかったのだろうと思います。テレビを見たくても落ち着いて見ることができないので、私いつも祖母の隣で本を読んでいました。そうした背景もあって、母親は月に一冊本を買ってくれたのかもしれません。

 現在に至るまで読書を続けておりますが、高校生、大学生の頃は月に5~10冊ほどを同時に読み回していました。ずいぶんとエネルギーを要する読書をしていました。もう、今はそんな読み方はできません。私は、登場人物の一人を自身に投影した読書をするので(これは今も変わりません)、10冊も抱え込んで読んでしまうと、10個の世界に生きている状況になってしまい、何が何だかわからなくなりました。それでも見たことのない世界に自分が生きているような気がして、とてもいい時間を過ごせたように思います。

 今朝、本校の図書館でずらり並ぶ本の中から、伊与原新(いよはらしん)さんの「宙わたる教室」を見つけました。定時制高校の科学部を舞台にした物語ですが、実は少し前にNHKドラマで放映されたのを私は見ていました。すごくいい話なので紹介いたします。

 本のある空間が好きです。時間があると街に出掛け本屋さんで時間を過ごします。苫小牧では定時制課程の勤務でしたので、午前中は図書館に行って本を読んでいました。北見では週末はランニング後にカフェでのんびり本を読んでいました。

 電子媒体で読書できる時代になりましたが、やはり一冊の本を手に取り、その重さを感じながら珈琲を飲みゆっくり活字を楽しみたいと思っています。

 本校ホームページへのたくさんの御訪問ありがとうございます。

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「尚栄いいところ」

 生徒が「尚栄いいところ」を書いてくれましたので、ここに紹介いたします。このように書かれています。そのまま引用させていただきます。生徒の生の声ですので説得力がありますよ。

 『幅広い分野を学ぶことができる』
 『個性あふれる人がたくさんいるところ!』
 『元気いっぱいな人が多いところ!!』
 『元気いっぱいの挨拶が聞こえてくる!』
 『設備が整っているところ。』
 『将来の夢に合わせて知識や技術を深めることができる。』
 『実習が多くていろんな経験ができる!』
 『空知唯一の総合学科 選択科目が多くやりたい授業ができる』
 『自分に合った授業が選べる!! 資格をたくさんとれる!! 行事が楽し  い!! 先生がやさしい!!』
 『駅が近い 先生と生徒が仲良い 行事が楽しい 部活が豊か』
 『カリキュラムが充実している 先生が優しい あいさつが活発 資格取得ができる テニス部が強い 授業がおもしろい! バイト、部活、生徒会の両立が可能!!!! 行事が充実!』
 『近くにすき家がある!! 近くにセブンがある! 先生がやさしい! 生徒がやさしく、明るい!! 授業がおもしろい!』

 それぞれの学校にいいところがあります。もちろん本校にもいいところがたくさんあります。今日はいいところを自慢するのではなくて、今、これを書いている私が思っていることをそのまま書きます。

 いいところを探す人生を送れたら幸せになれるのではないか - そんなことを考えています。簡単なようですが、どうでしょうか・・・逆を探すことが多くないでしょうか。逆を探すと気持ちがどんどん荒みます。ものの見方考え方の視点が、その後の人生を大きく左右するような気がします。人生を豊かなものにするかしないかは、その多くが他者に左右されるのではなく、結局は自分自身の考え方ひとつにあるのではないかと思います。

 たくさんのセミナーや研修会に参加してきた中で、「グループを組んだ人のいいところを見つけて付箋に書きましょう」というような時間を与えられることが何度もありました。きっとこうしたところに行き着くのだろうな、と改めて思っているところです。

 4月着任した際に「新たな企画、取組に対しては、どのようにすればそれが実現できるかの視点で考える」ことを先生方にお願いしました。これは私自身の生き方に寄るところが大きいのですが、2つの選択肢の一方に偏って決めつけないことを大切にして欲しいということです。

 人は深く考える前から否定的な方向に偏って物事を捉えてしまう傾向があります。それはもしかしたら間違ってはいないのかもしれませんが、そこに固執してしまうと、せっかくのGoodアイデアがかき消され、次の世界を見るチャンスを失ってしまいます。これほどもったいないことはありません。

 否定的な見方ではなく、肯定的な見方で見てみよう - 生徒の言葉から考えさせられました。

 ありがとうございました。

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帰省

 ぎゅっ、と暑いお盆休みになりました。皆様はどのようなお盆休みを過ごされたでしょうか。普段会えない方とゆっくりお話をしたり、旅行に出掛けたりなど良き時間を過ごせたことと思います。

 私は妻の実家と自身の実家の両方に帰省し、その足で先祖供養をしてきました。故人の面影はその時点の記憶で止まったままですが、それぞれの母親は確実に老いており(その分自分も歳をとっているわけですが)、何とも言えない複雑な思いの中で時間を過ごしていました。そうさせてしまうもうひとつの理由は、帰省するたびに空き家が増え、建物が取り壊され空き地が目立つようになっていることにもあります。記憶の中の景色と一方的にかけ離れていく現実の狭間で、母親の老いに直面するのは切ないものがあります。

 東京に転勤して以来2ヶ月ぶりに会った長男は、恋人と揃って顔を出し、庭でのバーベキューを終えるとそそくさと帰って行きました。私もずっとずっと昔に同じようなことをしていたな、と思いながらも、それでも久しぶりに家族が揃い元気に過ごしていることを喜べたのは良かったなと思います。私と妻の母親は私たちの帰りを待ち、私たちは子どもの帰りを待っている・・・そうしたことが繰り返されていくのかなと思います。

 自宅から6キロメートルほど離れた所に、頭上を飛行機が通過する私の大好きな場所があり、毎日ランニングでその場所に向かい、ひとり芝生に座り繰り返される離着陸を眺めていました。それぞれの想いを乗せた旅立ちとそれぞれの想いが詰まった到着に、帰省することの意味や歳を重ねていくことの意味をぼんやり考えていました。

 さて、学校はまだ夏季休業期間ですので、進路活動や部活動で登校する一部の生徒の姿しかなくとても静かな時間が流れています。まだまだ暑い日が続きそうです。体調の管理には十分気をつけてください。

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お盆休み

 雨に当たったらそれはそれで仕方ないかな、と覚悟して外に出ました。そこまでしてランニングする意味がありますか - そう問われても私は「意味はないけれどランニングするのです」と答えるしかありません。自分でもよくわからないのです。

 1時間をかけてゆっくり市内をランニングして、ゴールとなる借家までもう少しというところの西の空。ぎりぎり雨にも当たらず、偶然にもこの空を見ることができて、やっぱり外に出て良かったな、と思いました。こういうことが答えなのかな、なんて思ったりしています。

(8月5日 18時59分 写真を一部補正しています)

 前の日の夜、お袋から、お盆遊びに来るのかいとのLINEメッセージがありました。そういう時期なんですね。親になって、子どもたちが大学生、社会人として巣立っていった時、お盆と正月に子どもたちが自宅に帰ってくるのを楽しみにしている - そんな自分にふと気がついた瞬間がありました。と、同時に、今まで深く考えなかった子を想うお袋の気持ちにも触れたような気がしました。よくわからないけれど、何かがぐーっ、と胸に迫ってくる・・・そんな瞬間でした。

 36年前、親父と過ごした最後の夏です。いや、過ごしたと言えるだろうか。私は親友とふたりで大学の夏季休業を利用して北海道一周の旅をして、その帰りに少しだけ実家に寄って室蘭に戻りました。数時間の滞在。親の気持ちも何も考えず、自分の遊びだけを優先して自由気ままな時間を過ごしていました。

 あの時、親父もお袋も何も言わなかったけれど、「あんた、もう帰ってしまうのかい」もしかしたら私の背中にそう言いたかったのではないか・・・そんなことを今さら考えています。

 さて、本校も来週は学校閉庁日に入ります。良きお盆休みになることを心より願っております。

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