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校長の小部屋

月一回の楽しみ

 窓の外にはちらっと青空が見られ校長室にも陽射しが入ります。夏場は肌にまとわりつくような太陽光線にぐったりしてしまいますが、この季節のものはどこかそんな夏を懐かしく思い返さすような感覚に陥ります。

 秋の空は移り気で、晴れているなと思っていてもいきなり灰色の空に切り替わり、ぽたぽたと冷たい雨を落としてきます。そうかと思えば青空が一気に広がったり。これからは雨が霙に、やがて雪になり大地を真っ白な世界に変えていきます。

 冬が、雪が好きな人には申し訳ないのですが、私には憂鬱な季節の到来です。二十代が終わるまでは、スキーにのめり込み指導員を目指してゲレンデ通いなどしていましたが、それ以降はロッヂでベンチの温め役です。子どもたちと一緒に滑ったスキーも片手ほどで、私はロッヂで「もう帰る」と子どもたちが言うのを待っていました。もうスキー場に足を運び滑走するということはないだろうな、と思います。

 さて、冬の話を書きたいのではなく、お花の話です。月一回の楽しみが昨日でした。お昼休みに華道部の女子生徒がお花を校長室に持ってきてくれました。陽射しで明るくなったり空模様が怪しくなり急に暗くなる本日の校長室でしたが、デスクにお花を置いた途端に華やかになりました。綺麗だな、と思いながらしばらく眺めていました。こんな贅沢させてもらって幸せだな、といつも感謝しています。

 「いつもは学校で生けているのですが、今回はイベントに参加して生けた作品です」と説明してくれました。

 「それでは、写真を撮りましょうか。大丈夫ですか」と私が尋ねますと、「はい、大丈夫です」と笑顔で答えてくれました。扉一枚でつながる事務室に声をかけ、事務主任さんにiPadを渡しシャッタを押してもらいました。

 保護者等の方がお子様の作品を見てくれるといいのですが・・・写真ではなく、直接見たいということでしたら是非御連絡ください。

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翻訳

(写真の掲載については許可をいただいております)

 10月16日(木)タイ王国ストリースムットプラカーン校(Streesmutprakan School)より、教育旅行の一環として13名(校長、副校長、日本語教師、生徒8名、随行員)が本校を訪問しました。

 ストリースムットプラカーン校は、タイ王国サムットプラカーン県に所在する大規模な中等教育機関であり、1938 年(仏暦 2481 年)に教育省により設立されています。現在、中学1年生から高校3年生までの教育課程を提供しており、学業面及び人格面の両方で優れた生徒を育成してきており、在籍する生徒数は3000名とのことです。

 生徒8名はフード系列の3年次生と異文化理解と人的交流を目的とした国際交流プログラムを実践しました。ゲームなどを通して、互いの文化に触れ、コミュニケーションを深めたあと、タイのグリーンカレーを一緒に調理して食べました。最後にプレゼント交換をしてお別れとなりました。

 校長室で通訳さんを介して2時間程お話しさせていただきました。英語ですと単語からもしかしたらこのようなことをお話されているのかな、と想像を膨らませることができるのですが、タイ語となるとそうはいきません。通訳さんのありがたみをひしひしと感じた次第です。

 「これからはメールでやりとりしませんか」と校長先生から提案があり、「おっ、これは困った」と咄嗟に思ったところですが、端末の翻訳機能を活用すればいいのよ、と校長先生が仰り、さっそく私の端末にタイ語から日本語に翻訳したメールを送ってくれました。なるほど。「互いに翻訳したメールでやりとりしましょう」と校長先生は右手の親指を立ててぐりっと大きな瞳で笑いました。「オーケー」と私も親指を立てて約束しました。

 あとから思ったことですが、端末の翻訳機能があれば、変換に係るタイムラグはあっても会話も成立します。便利な時代になりました。大学の卒業前に次男がフランス、イタリアなどのヨーロッパ、韓国に旅に出ました。ツアーではなく、全て自前で。その次男が言っていたことを想い出します。「スマートフォン一台あれば世界のどこでも行けるし困ることはないんだよ」私には遠い話のように思っていましたが、目先に迫った状況になってきました。勉強しなければなりません。

 学校を数日離れておりましたので、本日数日ぶりに更新いたします。閲覧数を見てびっくりしています。22万件を超えるアクセス数となりました。

 いつも御覧いただきありがとうございます。

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私の宝物

 子どもたちがいない家の中はがらんとしてしまい、私と妻の二人では部屋を持て余すような状況になっています。いつか子どもたちがいなくなったらここよりも広い子ども部屋に移ってがつんとJAZZ三昧だな、と思っていましたが、結局そのままこの部屋でJAZZのレコードやCDを聴いています。子ども部屋はあらかた片付けられてはいますが、いつ帰省してもいいように、と妻がある程度の状態を保ったままにしています。私も別に慌てるものでもないのと、移動させるのが面倒でもあり、この部屋でいつまでも時間を過ごしています。

 高校から大学に上がって、半年先には見向きもされなくなるミュージックに飽きてしまい、アメリカの古い映画音楽やコーラスグループの音楽を聴くようになりました。次から次に聴いていくうちに、そのいくつもがスタンダードナンバーとしてJAZZ演奏されていることを知り、そこからJAZZにのめり込みました。「日下、変わった音楽聴いているな」と友人や下宿仲間に言われたこともあります。確かに私の周りではJAZZを聴く者など誰もいませんでした。

 大学を卒業して、自分で給料を稼ぐようになると自由になる小遣い銭も増えたので、休日は旭川、札幌、時には東京に出てJAZZのCDやレコードを買いました。それは今でも続いていて、私の宝物はどんどん増え続け一向に片付きません(妻にとってはガラクタのようですが)。お金がなくなると、土曜日23時からNHK-FMで放送されるJAZZ番組(長寿番組で現在も2時間の放送枠で聴くことができます)をチェックして、気に入った曲やアーティストをメモ帳に書き留め、次回購入のヒントにしたりしていました(現在もしています)。

 週末自宅に帰ると、思い入れのある一枚一枚に囲まれる部屋で、自分で作った真空管アンプに灯を入れ、ターンテーブルにお気に入りのレコードを載せています。その時間が私にとって至福の時となります。ライナーノーツに目を通し、読みかけの本を開き、居眠りを・・・それもまた至福の時です。

 秋は深まりましたが、まだまだ芸術の秋です。素敵なお時間をお過ごしください。

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あんパン

 10月11日(土)イオンモール札幌発寒において、さんフェア2025第1回北海道農業高校収穫祭inイオンが開催され、本校も参加しました。事前に準備していた生産品の販売とパン製造の実演及び販売を行いました。本校を含めて道内11校の農業科のブースが設けられ、多くのお客様で賑わっていました。

 多くの人に注目される中で作業をして、自分で作ったものが自分の目の前で売れていくという経験は、滅多にできるものではないことから、生徒たちにとって貴重な学びになったと思います。安全に作業すること、安心して買ってもらうことについては、授業中に繰り返し聞いてきたことだと思いますが、その意味するところが理解できたはずです。参加した生徒と4名の先生方大変お疲れさまでした。

 午前の早い時間に妻と一緒にイオンに足を運び、生徒が作った焼きたてのあんパンを購入しました。「あんパン、って実はすごく難しいんだよ。あんがきちんと真ん中にくることは簡単じゃないんだから」パン教室に何年も通って、多くの技術を身に付けた妻はそう言いながらあんパンを半分に割り、「あぁ、きちんと真ん中にきているよ」と嬉しそうな顔をして齧りました。「美味しいよ。いいなぁ、パンを焼ける授業があるなら、私、サポート役で生徒と一緒にやりたいよ。そういう学校があったのなら間違いなく入学してたなぁ」

 本校のフード系列で毎日パン作りをしているわけではありませんが、実習の中で様々なパンの作り方を学んだことがきっかけとなり、家庭でもパンを焼き、その趣味が講じてやがてパンを販売するお店を持つ・・・そうした将来が拓けていく可能性がある。私はまるっきりの夢物語ではなく、実現可能な夢であると思っています。商いは簡単なことではありませんから、経営に関する勉強は求められますし、更なる美味しいパン作りの研究や修行も必要でしょう。その努力を積み重ねた先に、本校で学んだ生徒が美唄市内でパンのお店を出店してくれたらどんなに素敵だろう - そんなことを考えながら真ん中にきているあんパンを私も齧りました。

 この日、生徒たちの活躍に背中を押されました。私も自身の夢の実現に向けて負けてはいられないな、と。

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無事終了しました

 3泊4日の見学旅行を無事終えることができました。保護者等の皆様には旅行費用並びに旅行に係る準備等をしていただき感謝申し上げます。御負担をおかけいたしましたが、充実した研修を行うことができ、当初の目的を達成することができました。大変ありがとうございました。

 見学先、宿泊先において、生徒は最高の笑顔を見せてくれました。両手にたくさんのお土産を下げ、ぬいぐるみやキャラクターの被り物を纏い、楽しそうに語らう姿を見ていると、教え子たちと過ごした見学旅行のことや自らの見学旅行のことを想い出しました。みんな同じなんだなぁ・・・そう思いました。

 時間が流れ、生徒たちがやがて子を持つ親になり、五十代六十代と歳を重ねる中で、3泊4日の見学旅行はどんどん点のような記憶になっていくわけですが、それでも何かの拍子にこの日のことを想い出すとき、凝縮された数々の出来事が一気に膨らんでくる - 私自身の経験から、そのような日がいつかくる、そう思っています。

 仲良くしている友達とのお買い物、深夜のおしゃべり、歴史的な建造物をバックに並んで撮った写真・・・一人ひとりの心にしっかり焼き付いているはずです。いつまでも大切にしまっておいてください。

 見学旅行の引率のため、しばらく小部屋の更新を控えておりました。久しぶりにホームページを開きましたら、21万5千を超えるアクセス数となっておりました。

 いつも御訪問ありがとうございます。

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見学旅行に出発します。

 明日から2年次生は3泊4日の見学旅行です。私も引率しますので、今晩はスーツケースに衣類等を詰め込む準備をします。今週から北海道は一気に秋が深まるようで、今朝はそのとおりに空気が冷え込んでいました。薄手のコートが欲しいな、と思わせるような感じでした。旅行先となる関西は日中は25℃を超えるようで、夏物のスーツがちょうど良さそうです。

 飛行機の搭乗は年末年始以来ですので10ヵ月ぶりです。北見に単身赴任していたとき、女満別-丘珠間の飛行機を何度も利用しました。自動車ですと高速道路を利用しても5時間ほど要しますし、特に冬場は交通事故のリスクを避けるため、片道35分の飛行機に搭乗していました。早割ですと片道8000円なので懐にもやさしかったです。
 
 丘珠空港から自宅までは自動車で10分もかかりませんので、妻に迎えに来てもらうとドアtoドアで1時間の移動でした。積極的に飛行機に乗りたいか、というとそうではありませんが、この時ほど飛行機のありがたみを感じたことはありませんでした。早い。離陸してシートベルトの着用サインが消えて機内サービスのアップルジュース(いつもこれをいただきました)を飲み終えると着陸態勢に入ります。19時15分に離陸、20時15分には自宅の玄関です。

 丘珠から女満別に向かう飛行機は風向きによって離陸する向きが変わり、西寄りの風だと飛行機はぐるっと旋回して我が家の上空を飛行します。今度はいつ帰れるだろうか・・・私は小さな窓からこの辺だろうと思われる自宅周辺を眺めては寂しい気持ちになっていたのを覚えています。

 北見での毎晩のランニングにおいて、19時20分頃に女満別を飛び立った飛行機がパッ、パッ、とライトを点滅させて私の頭上を大雪山旭岳方向に飛行していきました。あと30分後に丘珠、そしてこの飛行機に乗っていれば50分後に自宅なんだよな、と思って眺めていました。遠い300キロ先の自宅。今度この飛行機に乗る日のために明日も精一杯仕事をしなければならないな、と自らを励ましていました。

 飛行機の話から私の単身赴任にまつわる話になってしまいました。丘珠空港を飛び立つ飛行機の写真です。

 生徒たちが満足できる見学旅行になることを心から願っています。

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一生懸命に跳ぶこと走ること飛ばすこと、そして、

 一生懸命になっている友を応援し、走った結果を讃え、リレーのゴールにみんなで跳びはねながら喜びを分かち合う。肩を組み、円陣を組み、心をひとつに声を上げる。思い切り助走をつけて跳び、ピストルの号砲でゴールをめがけて全速力、重い球を力の限り向こう側へ飛ばし、大勢でひとつのことに歓喜する時間。そのような機会は人生にそう多くは訪れません。

 人は簡単に一生懸命になりなさい、とは言うけれど、自らの肉体のエネルギーをゼロまで出し切る一生懸命って、人生に何回もあるわけではない、と私は思います。私は市民ランナーですから、年に数度は立ち上がれないくらいの一生懸命はありますが、それはたまたまのことであって、そうでなければ、おそらく高校時代を最後としていただろう、と思ったりしています。

 だからこそ、今、高校生のこの時にその貴重な時間を全身で味わって欲しい。勝っても負けても、1位でも転んでも、運動が得意でも苦手でも、人生の良き一コマを心に焼き付ける時間にして欲しい。一回一回の限られた機会を大切にして欲しい。私はそう願っています。

 恥ずかしい話ではありますが、中学校の陸上競技会のような行事で、全員が100m走を走らされる競技があり、素直でなかった私は意味もなく手を振りながらスタートからゴールまで歩きました。あとのことは全く覚えていません。その記憶しか残っていません。こんな私をみんなはどう見ていたんだろうか。冒頭で書かせていただいたような一生懸命に跳ぶこと走ること飛ばすこと、そして、などとという記憶がありません。寂しい限りです。

 全校生徒が揃う機会は滅多にないので、運動会の開会式前に撮影しました。そのときに、失敗したな、もったいないことをしたな、うらやましいな、と思った次第です。まさに、後悔先に立たず、です。

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疑問の探究

 「それってどうしてなんだろ」1年次生の『現代の国語』で取り組んでいる疑問の探究について、9月2日、3日の中間発表会の様子を校長の小部屋でお伝えしました。その続きとなる発表会が先日行われました。約一月の間に内容やスライドに磨きがかかり、バージョンアップしたプレゼンとなりました。

 真っ先に感じたことはプレゼン力が上がったな、ということです。みんなの前に一人で立つことに抵抗感を持たず、堂々と発表する姿は立派でしたし、質問や提案に対して臆することなく、自らの考えを主張している姿に一人ひとりの成長を感じました。環境が人を変えると言いますが、まさにそのとおりだなと思います。

 このような取組が総合的な探究の時間における発表や就職活動における面接、大学入学選抜試験におけるプレゼン等に結び付いていきます。相手に理解してもらうためには、自らが理解していなければならない。そのためには、物事を掘り下げて学習する必要がある。

 本授業のシラバスを改めて読み返しています。生徒に対し「良いプレゼントは何か、そのためにどのような要素が必要かを考える」とありました。翻って教育職にある私たち向けに言葉を置き換えると「良い授業とは何か、そのためにどのような要素が必要かを考える」となります。教職員一人ひとりに与えられた永遠の課題であり、課題解決に向けた永遠の取組が求められます。

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クッキーとポケットティッシュケース

 9月27日(土)午後から一日体験入学を実施しました。多くの中学生と保護者等の皆様の参加を得て、無事に終了することができました。今回、所用等で参加が叶わなかった方がいらっしゃいましたら、放課後等に校舎の案内や説明をさせていただきますので、本校までお問い合わせください。

 この日の午前中、デザイン系列の2、3年次生3名と担当の先生が校長室を訪れました。デザイン系列の体験を選んだ中学生にお渡しするクッキーとポケットティッシュケースの詰め合わせを私にも、ということでした。心のこもったお手紙が入っていて、この日のために時間をかけて製作し、準備してきた生徒たちの気持ちが伝わってきました。参加してくれた中学生にあなたたちの気持ちは伝わったと思いますよ。

(写真の一部を加工しています)

 ホームページに掲載するけど写真大丈夫、と聞くと「はい、大丈夫です」と生徒たちが了承してくれました。訪れた生徒と一緒に写真を撮ってもらうことが多いのですが、純粋で素直な高校生の姿を見られるのが嬉しいです。みんないい表情で学校生活を送っています。異年次(学年が異なる)であっても仲良く交流しながら学校生活を過ごせるところもいいな、と思います。

 さて、相当昔のことになりますが、私の子どもも高校受験を前にあちらこちらの学校説明会に参加していました(残念ながら当時私が勤務していた学校の体験入学には参加してくれませんでしたが)。あの学校は学校祭が楽しそうだ、国公立大学進学実績に魅力がある、毎日宿題がたくさん出るらしい、家から遠い、制服がない、入試の当日点数を〇〇点くらいとらないとヤバい・・・などと、帰ってくるなり妻にあれこれ話していた姿が目に浮かびます。私はアドバイスらしいことは一切言わず(無関心だったわけではありません)、ただ黙って見守っていました。教育機関に勤めている私が口を挟むと、子どもの選択に何かしらの影響を与えてしまうかもしれない、と思ったからです。いくつか的を絞った高校の中から、自分がここで3年間を過ごしたい、そう思った学校で高校生になってくれれば、それでいいと考えていました。

 二人の子どもが高校受験と大学受験で私と妻をハラハラさせてくれたあの時間を、親として積極的に体験したいとは思いませんが、振り返れば、合格の喜びと思いが叶わなかった子どもの涙、大学受験に向けて勉強する日々・・・子どもたちからいい想い出をもらったかもしれないな、と考えたりもします。

 保護者等の皆様も高校受験を控え落ち着かない日々をお過ごしのことと思います。出願先が決まるまでの間、お子様の思いや悩みを真っ直ぐに受け止め、自らの経験を含めて語ってあげてください。

 御参加いただきました皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。

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美唄市立東中学校学校祭の合唱より

 9月26日(金)美唄市立東中学校学校祭の合唱を参観させていただきました。その前に開催された美唄中学校学校祭の合唱コンクールで、鳥肌が立つ感動を味わってからというもの、今日のこの日を私は密かな楽しみにしておりました。一人ひとりの声が重なり体育館に響く歌声は、忘れかけていた遠い昔の懐かしい記憶を呼び起こし、私の心をじーん、じーんと震わせ、何とも不思議な世界に誘っていくのです。

(8月26日 校長の小部屋 正解など で掲載)

 3年生の『正解』本校の教職員が書におさめた『いつも正解などまだ銀河にもない』の『正解」。それまで全く知らなかったのに、書を見た後にインターネットでこの曲を聴き、繰り返し歌詞を読みました。その曲がピアノ伴奏に導かれ、「この先に出会うどんな友とも・・・」と合唱が始まったとき、私は不覚にも目頭を熱くしたわけです。

 小学校から一緒に過ごすことが当たり前だった友とあと半年でお別れになる・・・迫ってくる現実(高校受験、卒業、新たにスタートする高校生活)に不安を抱えながらも、今を精一杯生きている生徒たちの歌声に、私は「大丈夫だよ、君たちなら大丈夫」と心の中で静かにエールを送っていました。心をひとつにして歌ったこの曲、この歌詞がいつまでも君たちを支えているのだから大丈夫。

 振り返ると、私の十代から二十代前半までの人生は、教科書に書かれていないこと、誰も教えてくれなかったことに翻弄されていた気がします。あの頃の自分は常に何かに怒りを感じ、ひたすらに寂しくてひたすらに虚しかった。ケンカした友への詫びの入れ方、父親への向き合い方、強がる自分の在り方、好きになった女性への感情の伝え方、告白されたときの断り方、親友の見つけ方、将来の叶え方、フラれたときの割り切り方・・・毎日そんなことばかりを考え、手元にある小説を片っ端から貪り読み、ラジカセのカセットテープから流れてくる歌詞をノートに書き留め、正解を見つける旅をしていました。そうして何かをあきらめ、何かを手にしてあの灰色の時間をくぐり抜けてきました。

 あくまでも個人的にですが、『正解』の歌詞は中学生や高校生の心を的確に捉えていると思います。「答えがすでにある問いなんかに用などはない」、「僕たちが知りたかったのはいつも正解などまだ銀河にもない」、「解答用紙はあなたのこれからの人生」 - このようなメッセージがあの時にあったなら今頃自分はどうなっていただろう・・・

 この歌が、見えない何かを追い求める若者たちを時にやさしく包み、時に力強く支えてくれる、私にはそう聞こえます。

 東中学校の生徒の皆様、素敵な合唱ありがとうございました。

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時間は人を確実に成長させる

 お昼にフード系列の男子生徒が校長室にやってきました。「製造した食品を食べてみてください」と元気な声で言った後、私にお皿を渡してくれました。肉製品でしたが塩分もちょうど良く大変美味しかったです。ありがとうございます。せっかく訪問してくれたので、会話を楽しもうと私もあれこれ質問したりするのですが、それに対して嫌がることもなく一生懸命に答えようとする姿がとにかく可愛らしいです。

(写真の一部を加工しています)

 さて、10月11日(土)『さんフェア2025 第1回北海道農業高校収穫祭inイオン』が札幌市のイオンモール札幌発寒で開催(午前9時から)されます。本校のフード系列も出展し、生徒が実演と販売を行いますので、是非お越しください!また、各学校の生徒たちの活躍も見ていただけると幸いです。

 4月から今日に至るまでさまざまな生徒が校長室を訪ねてきます。いい表情、困った表情、怒りの表情、涙ながらに・・・そこでの話は個人的なことでもありますから、詳しいことは控えさせていただきますが、一人ひとりが悩みや葛藤を抱え、それでも精一杯生きているということを感じます。「この子たちはこの子たちなりに考え、一生懸命生きているんだ」私は聞き役として9割、残る1割は人生の先輩としてアドバイスすることに徹し、生徒と接するよう心掛けています。

 すっきりした表情で校長室を出て行った生徒たちと日々言葉を交わすことがない分、数ヶ月ぶりに話をすると生徒の成長を感じます。毎日接していると小さな成長を感じるとることは難しいのですが、時間は人を確実に成長させています。5度の担任業務を振り返ってみても、スモールステップを見過ごしてしまい(多忙な日々の中で見取る余裕がないというのが現実です。これではいけないのですが)、卒業段階で一人ひとりの成長を感じて涙していた自分がいます。生徒が訪ねてくるといつも教え子たちとのやりとりを想い出し、あんなことがあったな、こんなことがあったな、と一人懐かしんでいます。

 今思っていることをそのままキーボードで打ち込んでいますので、フード系列の話の展開からまったくつながりのない話になってしまいました。申し訳ございません。

 本日は土曜日ですが、生徒は午前中登校して授業を行い、午後から一日体験入学を行います。

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名前の由来

 華道部の生徒2名が校長室にやってきました。今月の花を持ってきてくれました。ホームページに掲載することを了承してもらい、付き添ってきた男子生徒に写真を撮ってもらいました。「夏から秋に季節が移り変わって行く様子を表現しました。明るい色から暗い色に変化していくように」生徒の思いが生け花に伝わっています。ありがとうございます。

(写真の一部を加工しています)

 デスクに花とネームプレートを並べ、そのネームプレートには、花に由来した何とも素敵なお名前が表記されており、名付けた方の思いがすごく伝わってきました。名前の由来を聞いているかもしれませんが、そうでないのだとしたら、是非聞いて欲しい。そしていつまでも自分の名前を大切にして欲しいな、と願いながらこれを書いているところです。

 以前にも書きましたが、私は自分の名前にコンプレックスを持ってある一時期を過ごしてきましたので、余計に人様の名前が気になります。名前をしっかり背負えるようになったのは大学生になってからで、それ以前は人から名前を呼ばれることが嫌でした。間違いなく自分の名前が呼ばれる入学式、卒業式、表彰式は私にとって人生最悪の日でした。今考えると苗字は先祖に、名は祖父にとても失礼なことをしたな、とは思いますが、当時は本当にきつかったです。

 入学式の式辞や私の名前が記載された賞状を生徒にお渡しするとき、最後に北海道美唄尚栄高等学校長日下剛と自分の口で読み上げます。そのたびに、あんなに自分の名前が嫌だったのに、自分の名前を自分でしっかり言えたぞ、と思っている自分がいます。おそらくこの先もそう思う自分は私の中から消えないと思います。それはそれで仕方のないことかもしれませんが、ただ、胸を張って名前を言える自分になれたことが、名付け親である祖父に対するせめてもの報いになるのかもしれないと思っています。

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本の重みを感じながら

 昨日の校長の小部屋では、読書の秋を楽しみますと書きました。本日の新聞でデジタル教科書を正式な教科書として位置付け、次期学習指導要領が小学校で全面実施される予定の2030年度から導入を想定しているとのことです。私見は述べませんが、情報化の波が加速度的に押し寄せてきていることを改めて実感します。

 校内を回ることが多いのですが、たまに図書室を覗いています。朝一番、夕方遅くに入室すると当然誰もいない静かな図書室なのですが、思うことは、本に囲まれた空間で過ごす素晴らしさをどうしたら生徒たちに伝えられるだろうか、ということです。本離れが進み、手軽な端末の中で物事が完結していくような世の中にあって、一冊の本を手にさせることや読書の良さ、図書室の活用を勧めることの難しさを感じます。

 17歳、高校生のときに村上春樹著「ノルウェイの森」を読んだ衝撃は今でも忘れません。読後に押し寄せてきた一種独特な脱力感と無力感は、それまで感じたことのない不思議な感覚で、しばらくの間何も手につかなかったことを覚えています。

 人を好きになること、生きていくことの意味、これから自分が行くであろう大学とは何なのか、自分とは、大人になるとは、親友とは・・・当時私が抱えていた複雑な思いのすべてが、この上下2巻に集約されていました。自分は何者でどこに向かっていくのか、誰も教えてくれない、結局は自分で見つけなければならないんだ、と教えてくれた作品で、高校2年生から現在に至るまで、何度も繰り返し読んでいる愛読書です。年齢とともに当然受け止め方は変化していきますが、読むたびあの時の17歳の自分に戻れる本でもあります。

 大学時代に出会った妻もたまたま著者のファンだったこともあり、以後三十数年かけてふたりで書店をや古本屋を回って作品のすべてを購入し読んできました。先日自宅に帰ったとき、居間にずいぶん昔の著者の本が置かれていたので、妻も時折読み返しているみたいです。妻とは好きな作品は異なりますが、私は先に書いた「ノルウェイの森」ともう一冊大切にしている作品があり、それは大学時代に読んだ「国境の南、太陽の西」です。個人的に一番好きな作品です。気になる方は是非読んでみてください。

 さて、本校の図書室にも村上春樹さんの本が置かれています。上記の作品は残念ながら棚には入っていませんが、最近の作品がいくつか並んでいて、中には映画(ドライブ・マイ・カー)で取り上げられた短編が納められた一冊もあります。生徒の皆さん、是非手にしてください。

 デジタルもいいけれど、本の重みを感じながら、一枚また一枚とページをめくり、見たこと感じたことのない世界に触れられる読書を楽しんで欲しいと思っています。たかが一冊、されど一冊です。一冊の中に自分の知らない世界が広がっています。

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秋の過ごし方

 あんなに暑かった夏はどこへ行ったのか・・・今年は秋の訪れが早いのか、9月に入ってから急に肌寒く感じることが多くなりました。数日前、大雪山系の初雪の便りをニュースで知りました。このまま秋が深まっていくのか、と思うと寂しくなります。

 食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋とも言われますが、食欲は別として、私は欲張りにも読書と映画、スポーツを楽しんでいます。読書は一度ハマってしまうと次から次に本を手にし、本が切れてしまうと落ち着かなくなる、所謂活字中毒の状態になってしまいます。今晩から読み始める本を含め手元に4冊揃えたので、読書をたっぷり楽しもうと思っています。

 切れ目の良いところで本を閉じた後は、インターネットで映画を楽しんでいます。途中居眠りをして何が何だかわからなくなり、同じ映画を何度も繰り返して見ている始末ですが、配信されている映画が多く飽きることがありません。

 平日の夕食後はランニングを楽しんでいます。陽が暮れるのが早くなり真っ暗な中を気をつけて走っています。そんな中、私を見つけた生徒が「校長先生、こんばんは」と声をかけてくれます。いきなりなのでびっくりしますが、知らぬふりではなくきちんと挨拶してくれるのが嬉しいです。休日は午前中に20~30キロのランニング、午後から花の手入れをするのが10年来の日課になっています。

(札幌市東区 モエレ沼公園)

 今までウォーキングや水泳を趣味にしていた妻が、ここ最近短い距離のランニングを始めました。昨日も自宅から自動車で5分のモエレ沼公園に行き、1周3.75キロを一緒に走り2周目をゆっくり歩きました。5キロを休まずに走ることを目標にしている、とのことで、いつか長い距離を一緒にランニングできたらいいな、とにわかに期待しているところです。

 私は本校の教職員に対して「自分の働き方を自分でコントロールし、プライベートの時間を充実させてください。幸せになること、ウェルビーイングであることについて、それは誰かが与えてくれるものではなく、自らそうあるために自ら作り出していくものです。自分がそうした意識や行動をしていくと、周囲もまた幸せになり、ウェルビーイングになっていきます」と話をしています。これは私自身の経験から言えることでもあります。

 どんなに忙しい中にあっても、プライベートの時間を充実させることは可能です。後回しにせず、今この時に実現させていく、そのようなライフスタイルを確立して欲しいと思います。

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人手不足がもたらすもの

 9月19日(金) 国土交通省北海道開発局様、一般社団法人空知建設業協会様が主催する「学校キャラバン」が開催されました。高校生に向けて建設業の魅力を発信することを目的に、地元建設企業の若手職員による仕事紹介や作業体験が行われました。お忙しい中、本校生徒の教育活動に御尽力を賜り感謝申し上げます。

 日本の総人口が減少するなかで、65歳以上人口が増加することにより高齢化率は上昇を続け、2040年には約35%、2050年には37%、2070年には39%に達すると推計されています。建設業のみならず産業の担い手の確保が急務になっています。建設業の労働力が不足すると、受注できても着工ができない、インフラの維持が困難になるなど社会的な影響が懸念されます。

 例えば、一軒の家を建てるとき、基礎工事(根切り・地業・防湿シート張り・捨てコンクリート・配筋工事・コンクリート打設)、配管工事、足場工事、建方工事、屋根工事、サッシ・ベランダ工事、電気工事、断熱工事、クロス貼り工事、外壁工事、外構工事など数多くの工事があり、それぞれの技術に特化した多くの職人さんが携わります。建設業界の人手が不足すると工事が遅れ、半年で引き渡されていた新築住宅が、1年も2年も待たされてしまい、さらに経費も嵩むという事態が発生します。

 電力会社に就職した次男が先月言っていたことです。「電気の技術屋さんが足りないから、受注はあっても工事ができないんだよ。何ヶ月も先延ばしになっていたり、仕方なく断っているケースもあるんだよな。オレ、高校選ぶとき工業高校への進学なんて一切考えもしなかったけれど、お父さんが教えてきた生徒は貴重なんだな、と思ったわ。工業高校の生徒や専門的なこと学ぶ生徒をしっかり育てて、社会がそういう生徒を大切にしていかなければ、この先困ったことがたくさん出てくると思うわ」

 今回の「学校キャラバン」により、生徒は本校で学ぶことが社会でどのように生かされていくのか、建設業の具体的な話から自らの果たす役割とは何なのか、ということを理解することができたのではないかと思います。

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努力の上に花が咲く

 努力の上に花が咲く

 この言葉をインターネットで検索しましたら、学校法人中村学園(中村学園大学)の創立者、初代理事長である中村ハル氏が、晩年若い世代の学生たちへ贈り続けた言葉であることを知りました。ずいぶん昔から聞いてきた言葉でもあり、私も生徒たちに努力することの大切さを語るとき、真っ先に引用した言葉でもあります。遅ればせながら言葉が生まれた背景を知ることができました。

 冒頭数行書いたところで8年前の我が長男の顛末を想い出しましたので、少しだけ書かせてもらいます。高校の部活動は、小学校から続けてきたサッカーではなく、全く経験したことのないフェンシング部に入部しました。部活動だけではなく遊んで帰ってくることもあったと思いますが、帰宅は毎晩10時11時、休業日は朝から夕方まで出掛けたままで、家でも顔を合わせない日がほとんどでした。大学に行きたい、なんて言っていたけれど、いったいいつ勉強しているのだろうか・・・と私はいつもそんなことを思っていました。

 競技人口が少ないので、インターハイや国体などの全国的な大会に出場することはもとより、本州の遠征も何度も行っていました。2年生の夏に宮城県気仙沼で開催されたインターハイに出場し、こんな時でもないとな、と私も会場に行って観戦しましたが、結局これが長男にとって最後の試合になりました。大会が終わり秋が深まった頃、長男からLINEメッセージを受け取りました。

 ここから残り1年、どれだけ努力しても全国の選手に勝つことはできないことがわかった。今まで勉強もおろそかになっていたから、勝てないことを承知した上で練習に打ち込むのではなく、大学受験に向けた努力をすることにした。このままだと、部活で結果を残せない、大学にも入学できなくなるかもしれない。中途半端な高校生活にしたくない。道具の購入や部活のためにかなりのお金を使わせてしまったから申し訳ないけど、いろいろ悩んだ結果、部活をやめることにした。これからは勉強することにする。部活でやりきった感はあるし - 私は、悩んで出した君の結論を尊重するよ、と返信しました。

 花が咲いたのか咲かなかったのか・・・それは当の本人だけが感じること。でも、私は長男が部活動に、受験勉強に努力してきた過程を遠巻きに見てきたので、どんな形であれ花は咲いたんだろう、と思っています。仮に花が咲かなかったとしても、何かに向かって一生懸命になった努力は長男の足元を固め、生きていく上で貴重なものを手にしたはずだ、と思っています。

 生徒の書が、ずいぶん昔のことを想い出させてくれました。ありがとうございました。

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失敗は成功のもと

(画像の一部を加工しています) 

 失敗は成功のもと - 一度でうまくいくことはほとんどなく、何回も失敗を積み重ねた末、成功するのがふつうである。失敗に気をおとしてはいけない。(新修ことわざ辞典より)

 この書、筆をとった生徒はどのような経緯から「失敗は成功のもと」を題材にしたのでしょうか。失敗した自分を奮い立たせるために書いたのか、それともこれから挑戦する自分を励ますために書いたのか・・・聞いてみたい気がします。

 月並みな言葉ですが、生徒の皆さんには「失敗を恐れず果敢に挑戦して欲しい」と思います。失敗することを恥ずかしいとか情けないと思うのではなく、挑戦しなければ成功することもないんだ、と思考を変えて欲しい。挑戦に失敗は付きもの、と開き直って欲しい。

 私は仕事もプライベートもずいぶん失敗してきました。そのたびに頭を下げて詫びを入れ、二度と同じ失敗をしない、と決意してきました。身勝手な行動によって、人を困らせたり不愉快にさせてしまった数々の失敗については、成功のもとではなく、後悔として40年以上引きずるものとなっていますが、それ以外の失敗については成功云々は別として、私という人間を形成していく上で必要なことでした。

 人の心に傷を付ける失敗をしないこと。不愉快にさせる失敗をしないこと。失敗を真摯に受け止めること。失敗を認め謝罪すること。反省して次に繋げていくこと。失敗しても諦めないこと。同じ失敗を繰り返さないこと。挑戦した結果の失敗をバネにすること。これは私のスタンスです。

 もうひとつ。挑戦しなければならないとき、って必ず人生に訪れます。格好を付けて書くわけではありませんが、私の経験から、ふたつにひとつを選択しなければならないとき、「やる」、「やらない」のいずれかは「やる」を選んで挑戦して欲しい。あえて茨の道、つまり挑戦することを選ぶ・・・そこで失敗することになっても後々後悔することはありませんので。

 失敗は成功のもと、です。とても重みのある言葉です。改めて考えさせてくれた作品に感謝します。ありがとうございました。

 本校のホームページに訪問していただく件数が毎日1000件を超えるようになりました。ありがとうございます。

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夢は「かなうさ」

 本校は、「かなうさ」というマスコットキャラクターを持っています。尚栄の『尚』の文字をモチーフに、そして、尚栄なら夢がかなう、という言葉を掛け合わせて名付けられた可愛らしいマスコットです。

 本校のホームページにアクセスすると校舎の写真が写し出されますが、その真ん中に跳び箱を跳ぶピンク色の「かなうさ」のイラストを見ることができます。『尚』の文字に見えると思います。学校独自の公式マスコットキャラクターを持つ学校はそう多くはないので「かなうさ」をどうにか活用できないか・・・4月からずっと考えています。

 ずいぶん前にデザイン系列の生徒がクッキーを焼いて校長室にやってきました。タグは昨年度のものになっていますが(サンプルなので気にしないでください)、一日体験入学でクッキーをプレゼントするとのこと。「試作なので食べてください」ということですが、なんだか可哀想でいつまでも食べられずにいます。

 夢(手元のある国語辞典より) - 将来実現したいと思う事柄。希望。それでは希望とは - こうあって欲しいと願い望むこと。似たような言葉で使われる目標は - めあて。

 小さいときにはたくさんあって、大人になると失っていくもの・・・一般的にどうなのでしょうか?寂しいけれど、現実を知るにつれて失っていくものなのかなぁ。私は多くの夢を捨ててしまったかも。でも、捨てると新たに見つけるのも、また夢ではないかな、と思います。

 そうした中で見つけた夢のひとつ。それは、六十歳を境にしたそれ以後の人生についての夢です。ずいぶん前から持ち続けてきた夢ではありますが、ここまで先延ばしになり、あと5年半のところに迫ってきました。詳しくは書きませんが、お店を持ちたいと思っています。妻に言うといつも笑われますが、私はかなり本気です。その夢を叶える第一歩として専門学校に通うことを考えています。実現に向けて一歩一歩歩んでいこうと思います。

 十代を生きる生徒の皆さんはたくさんの夢を持っているはずです。無理だではなく、叶えようと思い続けて欲しい。どこでチャンスが巡ってくるかわからないわけですから。

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とら焼きとどら焼き

 5月中旬から校長室の入口扉を開放しています。その扉の付近から、こそこそこそっと小さな声で喋っている生徒の声が聞こえてきました。

 とんとんとん - 校長室の扉がノックされました。

 「校長先生、とら焼きとどら焼きを作ったので食べてください」頭から足下まで真っ白なユニホームに身を包んだフード系列の3年次生が、はにかみながら校長室に入ってきました。訪問してくる生徒はみんなそうなのですが、はにかみ表情が可愛らしくて、いつも私の心を穏やかにさせてくれます。まだまだ子どもなんだなぁ、と思ってしまいます。「せっかくだからホームページに載せる写真を撮ろうよ」と声をかけ、4人で並んで撮りました。

 「どうしてとら焼きなの」と聞きましたら「皮がとらの模様だからです」と返ってきました。なるほど、言われてみれば、です。餡は入っていませんでしたが、とら焼きもどら焼きもどちらも美味しかったです。ありがとうございました。

 とら焼きとどら焼きは、今後開催されるいくつかのフェアで販売する予定になっていますので、手に取ってもらえると嬉しいです。製造の様子を本校インスタグラムに掲載しております。御覧ください。
   https://www.instagram.com/bibai_shoei_highschool/

 みんなで楽しく作って、できあがったものを品評して、何が上手くいって何が足りなかったのかをみんなで考える。それを元に改良していく。大人になってからではなく、多感な高校時代にこのような体験ができることに、私は大きな意味があると考えます。

 変化の激しい時代、人生100年時代と言われています。生徒たちの将来は働く期間が長くなり、マルチステージの時代になります。学んで働き、学んで働き・・・を繰り返す人生になっていくものと思われます。

 【課題】どうしたらとら焼きの皮になるのか 【情報の収集】まずは調べなければならない 【情報の整理・分析】調べたことをまとめる 【まとめ・表現】実際に作ってみる これを繰り返していく。変化が激しく予測困難な時代だからこそ、常に【課題】が降りかかってくるわけですから、学びのサイクルは延々と続いていきます。本校で実践している学び方が、課題解決に向けたひとつの手段として役に立つと思っています。

 9月27日(土)の体験入学の受付をしています。是非、お越しください!!

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夏にさよなら

 夏にさよならしなければならない - 九月の夕暮れはいつも美しいのだけれど、私をセンチメンタルにしてしまう・・・

 9月10日 明治通りと美唄川の交差付近にて(写真を補正)

 夕食後のランニング。見上げる空はわずかに残る朱色が早送りされ、たちまちのうちに濃紺に染まっていきます。この日もそうでした。1分、2分と言ってはいられない加速度感。空の色は駆け足で切り替わっていきました。もう少し近づいたところから、なんて思いながら夕暮れに向かって走りましたが、もうこれ以上行くとこの空を切り取ることができない、と諦めて写真を撮りました。

 ずっと遠くから演歌のような音楽が時折風に混ざって聞こえてきました。空知神社秋季例大祭の初日。秋祭りのスタート。音源はおそらくそこからのもの。

 否応にも秋の訪れを私に伝えてきます。目の前を通り過ぎる赤とんぼ、道ばたに落ちてしまった葉、黄金色の田、道路沿いのすすき、草むらのコオロギの声、そして肌に感じる風・・・

 本日で単元まとめテストが終了します。3年次生は来週から解禁される就職試験に向けた準備、久しぶりの部活動やアルバイト等が再開されます。学校帰りにお祭りに寄っていく人も多いのかな。

 本校の生徒にも秋の時間が訪れています。

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