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校長の小部屋

暑い夏

(7月23日 8時36分 朝から30℃を超えています)

 6月中旬から高温が続いておりますが、今週は暑さのギアが一段上がった感じがします。夜になっても気温が下がりません。

 私は四季の中で夏が一番好きですが、それはかつての北海道の清々しい夏と連動するものです。近年の夏は身に危険を感じるところもあり、好き嫌いなどと悠長なことは言っていられない状況になっています。

 窓枠クーラーやスポットクーラーを稼働させて教室の室温を下げるようにしてはいますが、教室という空間に多くの生徒がいると、人が発する熱等もあって思うような効果が得られません。今年度からジャージ登校させるようにしましたし、授業中の水分補給、運動を伴う活動の中止等を含め、生徒の身体に負担をかけないよう取り組んでおりますが、今後も熱中症から生徒と教職員を守るため、アンテナを高くしていかなければなりません。

 私が借りている家、そして自宅にはクーラーは設置しておりません。扇風機、換気扇、サーキュレータを稼働させて何とか凌いでいます。もう限界だわ、と妻はクーラーの設置を特に今夏は口にするようになっています。そろそろ本格的に検討しなければいけないかもしれません。自宅は特殊な窓ですので窓枠クーラーやスポットクーラーの取付ができないため、エアコンの導入の検討をしなければなりません。我慢するところは我慢するけれど、私も妻も少しずつ歳をとってきたことを考えると、暑さから身を守ることに我慢する必要はないな、と真剣に考える今日この頃です。

 すでに連絡を差し上げておりますが、本日、臨時休校といたします。突然の御連絡に驚かれたと思いますが、不要な外出を避け、自宅において水分の補給をこまめに、暑さで疲れた身体をゆっくり休めて欲しいと思います。

 明日は夏季休業前の最後の登校日となります。暑さが心配ですが、元気に登校してください。

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本校生徒の活躍を見に来てください!!

  

 7月31日(木)15時から16時になりますが、コアビバイ市民ふれあいサロンにて『尚栄高校フェア2025夏』を開催いたします。例年、冬場に開催しておりますが、今年は年2回として夏場にも開催する運びとなりました。

 『文理・教養系列』と『デザイン系列』は作品の展示や掲示、『情報通信マネジメント系列』は広告の作成及び販売活動、『メカトロ・エンジニア系列』はミニマイコンカープログラミング体験、電子工作、実習作品の無料配布、『フード系列』は加工品(ジャム、カレー、ベーコン、フランスパン、生ハム等)の販売を行います。 

 本校は体験的な学びを重視しており、校内を歩くと必ずどこかの系列が実験や実習を行っています。教室に入って生徒の様子を見ていますと、座学で見せる表情とはまた異なるいい表情で楽しそうに作業に取り組んでいます。何かをつくる経験は必ず深い学びに結びつきますし、何かをつくった経験は更なるものづくりへの興味や挑戦につながると私は信じています。

 これからの世の中の変動を考えますと、本校のような学びの形態が必ずどこかで役に立つはずです。究めることだけではなく、広く対応して生きていく力がますます求められます。5系列の総合学科高校ですが、私は「人が生きていく上で大切な衣食住が詰まった学校」と考えています。道内でも非常に珍しいスタイルの学校です。

 各系列での取組と生徒の活躍が集約されたフェアとなっております。私たちは、北海道美唄尚栄高等学校の教育活動を幅広く知っていただく機会と捉えています。毎年楽しみにされている市民の方が多いと聞いておりますが、市内外を問わず是非お越しくださいますようお願い申し上げます。

 本校ホームページ(トップ)のお知らせ欄に、広告を掲載しております。必要に応じてダウンロードしていただき、御覧くださいますようお願い申し上げます。

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傾聴すること

 「傾聴」とは、相手の立場に立ち、気持ちに共感して理解しようとすることで、相手の話を聴く際に、善悪や好き嫌いの評価を避け、相手の視点に立つことが信頼関係を築きます。その際、最も注意しなければならないのは、自分の否定的な反応を控えること。相手がどうしてそのように考えるようになったのか、その背景に関心を持って聴くことが大切です。

 私は、「心で聴いてあげる」、「目で聴いてあげる」、「耳で聴いてあげる」この3つの聴いてあげるをずっと大切にしています。中学校の時の担任の佐藤先生が実によく話を聴いてくれたから、今の私があるのかもしれません。

(3つの花が寄り添って咲く - 自宅庭より)

 ある電気工事会社を仲の良い二人が受験し、一人は内定、もう一人は不採用になったとき、不採用になったユウダイは目に涙を浮かべ私の前に呆然と立ち尽くしました。私はユウダイを自分の車に乗せ、学校から離れた誰もいない場所に車を停め、「ここで気の済むまで思いっきり泣きなさい」と言いました。ユウダイが落ち着いたときにはかなりの時間が経っていましたが、その間、私もある試験に失敗して不合格通知を手にして泣いた高校時代を思い出していました。

 ユウダイは今まで努力してきたことや不採用の悔しさ、これからどうしたらいいのかということを話してくれましたが、私はただ黙って静かに話を聴いてあげました。僕が今何かを言うべきではない、ただ聴いてあげればいいんだ、その先のことはいつか話をしてあげればいい - そう思いました。「ゴウさん、話を聴いてくれてありがとう」とユウダイは真っ赤な目で、でも少しだけすっきりした表情を私に見せました。もう16年も前の話です。

 8年前に東京で受講した研修の一コマで、実践を含めた「傾聴」をみっちり学習させられました。特に「傾聴」を意識してきたわけではありませんが、この時に私のやっていることは実は「傾聴だったんだ」と気付きました。私は高校生の頃からずいぶん友達の話を聴いてきたし、一通り話を聴いてから自分の思いを伝えるようなところがあり、控えめな人間だな、なんて思ったりしていました。でも、それはそれでおかしいことではなかったんだと思った研修でもありました。

 自分の思いだけをまず伝えたい、そう思うところではありますが、相手の気持ちを受け止めてあげることを心掛けてみましょう。今までと違った世界が目の前にあらわれますよ。

 「傾聴」とても大切です。

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課題研究

 「何をしているの?」と質問しました。一人は「3Dプリンタの調子が悪いので直しています」もう一人は「マイコンカーのセンサをハンダ付けしています」メカトロ・エンジニア系列の課題研究の授業を見学しました。それぞれにテーマを持って取り組んでいるおり、トレーニング器具を製作するグループやベースギターを製作する姿もありました。何かに夢中になれる時間を持てるのはいいですね。とにかく表情がいいです。

 ものをつくることイコールすぐ完成ではありません。まず思うように動作しません。最悪は全く動作しないということもあります。その事実に直面したときに人間性を垣間見ることができます。腹を立ててしまう人(そもそも自分で取り組んだ結果に腹を立てても)、放り投げる人(今まで作業に費やした時間はもったいなくないかな)、動作するまで作業する人(完成して使う喜びを感じたい)、すぐ人に聞く人(これ、大切だけど手ぶらはダメです)・・・

 わからないことがあればすぐ聞くことも大事ですが、私は聞く前の在り方にこだわります。これは生徒だけに求めるのではなく、仕事をする大人にも求めます。大学の研究室で仕えた城谷教授に徹底的に報連相の指導をされ、そのことが社会人になるにあたってすごく役に立ちました。

 「日下くん、どうすればいいですかって聞くけど、どこまで自分で考えてどこでつまずいたの。それを聞かせてもらえないのなら教えようも答えようもないんだよ。まずは自分がどうしたいのかが大切なんだよ。どうすればいいと聞くのはやめなさい。」こう言われるとわからないことを徹底的に調べたり勉強したりしなければなりません。しかし、これが自分の理解度を確認したり、何をしたいのかにつながる大切なことでした。ゼミには厳しくユーモアたっぷりの先生で、私は先生に出会わなかったら今とは違った人間になっていただろうと思います。

 課題研究の様子を見ていて、研究室で実験に明け暮れていた時のことを思い出していました。聞く前に調べたり、この先どのような見通しを持って進めていくのかを考える - そのような生徒に育って欲しいと思っています。

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ごちそうさまでした

 「とりめしとナムルを作ったので食べてください」3年次生の2名が私のところにやってきました。選択科目『フードデザイン』の授業で作った料理です。「楽しく作れたかい」と聞きますと、ふたりは声を合わせるように「はい」と答え、爽やかな笑顔を見せてくれました。せっかくなのでホームページに掲載するよ、と断って、写真を撮らせてもらいました。

 美唄市はとりめしで有名ですが、農林水産省のホームページを読みますと、美唄市の郷土料理として親しまれ、発祥は北海道の開拓が本格的に推進された明治時代にさかのぼり、現在の美唄市中村地区に入植した農場主の中村豊次郎氏が、稲作が軌道にのるまでの期間、小作人たちの家計と健康を気遣い、つがいの鶏を与え養鶏を奨励したとのこと。その後、米がとれるようになると、客をもてなすために飼っている鶏のお肉を米と一緒に炊き込んだ「とりめし」で振る舞った、と記載されておりました。うむ、なるほど。歴史的な背景を知ることで地域理解につながります。私も勉強になりました。

 家族で私の実家に帰省するときに、途中美唄市内のとりめしを食べました。子どもたちが小学生だったように記憶していますが、よほどインパクトがあったのか、以来とりめしが食べたい、と言うようになりました。私と行動を共にする帰省はそれほど多いものではありませんでしたが、何度かお店に寄って食べました。

 やがてふたりが大学生になり自動車を運転するようになった頃、「子どもたちだけで食べにいったこともあるんだよ」と妻から聞いたこともあります。私が美唄に転勤が決まったことを子どもたちに伝えると、それぞれから、いつでもとりめし食べることができていいよな、と言われました。たった一度寄ったその店のとりめしの味がふたりには忘れられないものになったんでしょうね。

 生徒たちが作ったとりめし大変美味しかったです。ごちそうさまでした。

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